モルデfk

<ウェブサイト名>

<現在の時刻>

出典: 標準

Skip to content TOPICS NEWS DATA ABOUT Main Menu タグ: キャリアプランニング 2023年10月20日 ホームタウンに愛されるクラブに!「実践キャリアプランニング」の授業で東京ヴェルディによる特別講義が行われました。 9月26日に「実践キャリアプランニング」(担当:高橋 裕樹特任教授)の授業で、東京ヴェルディ株式会社(以下、東京ウェルディ)の中島健吾氏をゲストにお招きした講義が日野キャンパスにて行われました。日野市は東京ヴェルディの「ホームタウン」。学生たちはホームタウンとは何か、どのように地域に関わっているのかを通し、地域貢献について学ぶ機会となりました。 東京ヴェルディはどんなチーム? 東京ヴェルディは、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)のクラブチームのひとつ。1969年に日本初のプロサッカークラブとして創設された「読売サッカークラブ」が前身で、リーグ、リーグカップ、天皇杯と国内の3大タイトルで優勝経験がある歴史と伝統を備えたチームです。現在はJ2リーグ(2部)に所属していますが、2023シーズンは3位と好調をキープしており、J1リーグ(1部)への昇格も狙える位置にいます。 サッカークラブチームを運営している会社ですが、講義をしてくださる中島健吾氏はホームタウン部の所属。日野市や稲城市、八王子市を担当しています。中島氏は日野市出身。大学ではスポーツビジネスを専攻しインターンシップで東京ヴェルディに関わり、その縁もあり2021年に入社されました。 ヴェルディは「先駆者」である 中島氏は東京ヴェルディのバリュー(中核的な価値観)を紹介しました。「仕事上で迷ったらこの価値観に立ち返って、本当にこれに沿って仕事ができているのか確認をする、一つの指標としてとても大事なものです」。一番は「パイオニア」であること。創設当時は野球が盛んで今ほどサッカー人気がない時代。そんな中プロチームを作った東京ヴェルディは、前例や常識にとらわれず先駆者であることを大事にしています。「サスティナビリティ」も大事な観点で、物事は挑戦するだけでなく続けていくことも大切。持続性を意識し成長していくことも重要な価値観です。 ミッションは「世界で輝く人材を育成する」こと。これまで日本代表選手を17名輩出し「まさに日本サッカーの土台を作ったと言っても過言ではないかなと思います」と誇らしげに中島氏は話します。ただ、輝かしい戦歴の裏で苦労も多くあります。2005年にはJ2に降格し、2009年には親会社が撤退し経営危機にも陥りました。現在は総合型クラブを目指し、サッカーだけでなくバレーボールやトライアスロンなどのチーム運営や、音楽などのエンターテイメント業界参入も視野に活動しています。これまでヴェルディが培ってきた人材育成のノウハウを生かし、スポーツスクールだけでなく様々なところで応用していけるように活動しています。 ホームタウンとは? ホームタウンとはクラブの本拠地のこと。クラブはホームタウンに対し地域に根差したスポーツ文化の振興活動を行うことが求められます。これはJリーグ百年構想という理念に基づいて定められているもの。そのため株式会社という一企業でありながら、利益を追求するだけでなく公共性の高い活動をしていく必要もあるのです。 ただ東京ヴェルディは2001年に川崎市から東京へ本拠地を移転しています。それだけに東京ヴェルディが地域に受け入れてもらうためには「東京ヴェルディは、他のチームよりもホームタウンをより大事にしなくてはいけない」と考え活動していると中島氏は話しました。 ホームタウンから愛されるクラブになるために 「クラブがホームタウンになくてはならない存在にならなくてはいけない」と中島氏。スポーツ文化の現場はもちろん、防災や防犯や農業、観光の分野でも活動しています。例えば防犯対策、交通安全啓発の一環として、新一年生へのランドセルカバーを寄付しています。今まで市が担っていた公費の削減にもつながり自治体とクラブ、市民の全員がwinーwinの関係になりました。また、放置されていた田んぼで選手がコメ作りを行い、地域住民と米粉クッキーを作成し販売。クッキーは好評で田んぼの利用者も増えるなど良い循環が生まれています。 日野市で取り組まれている、市内におけるスポーツの推進に係る体制の整備を図るための日野市スポーツ推進委員「ひのスポ」の立ち上げにも貢献。学校や教育の場面では、部活動の先生の負担や部員数の減少が問題になっています。子どもたちが安心してスポーツを楽しめるよう、地域と連携して活動されています。 就活の準備は早すぎることはない 最後はアンケートフォームを利用して質疑応答が行われました。「就活前に持っておいた方が良い資格は?」という質問には中島氏は「資格ではないですが、英語は必須だと感じます。あと簿記はやっておいて損はない」と回答されました。またスポーツ系企業への就職を目指している学生から「スポーツが得意なことは必須ですか」と質問が。「自分もサッカーはやっていましたが得意ではなかったし、関係ないです。体育会系の企業と思われがちですが、女性も多く活躍しています」と語りました。中島氏は「就活を始めるのが遅かったことを、後悔しています。就活の準備は今からでも早くはない」と話し、講義を締めくくりました。学生たちにとって地域貢献と企業の活動について、身近に感じられる講演となりました。 2023年9月5日 自己分析して自分で選ぶ!「実践キャリアプランニング」の授業でホリプロとのコラボによる働くとは何かを考える講演が行われました。 共通教育科目「実践キャリアプランニング」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で7月14日に株式会社ホリプロ(以下、ホリプロ)による特別講座が行われました。池橋敬雄氏と和田瑞希氏のお2人がそれぞれユーモラスな語り口で、「働くこととは」「仕事とは」についてお話くださり、学生たちも楽しみながらキャリアについて考える機会になりました。 ホリプロは芸能プロダクションじゃない! 始めは和田氏からホリプロとはどんな会社か、紹介がありました。「みなさんホリプロと言えば芸能プロダクションのイメージがあると思いますが、総合エンターテインメント企業です」と和田氏。 人々に楽しみや感動する瞬間を作ることで世の中を良くしていくというミッションのもと、エンターテイメント製作を手掛けています。「ホリプロは作品と人をプロデュースする会社」と言い、ドラマやバラエティーにとどまらず、舞台やお笑いライブ、楽曲製作など幅広いエンターテイメントを製作していると話しました。 ただ、ホリプロとしての看板であるのはやはりマネージメント事業。日本を代表する俳優や女優のほか、バラエティータレントや芸人、アスリートや演出家、アナウンサーにVチューバー、歌手、声優…とさまざまなジャンルのタレントが所属しています。 社員の方の大きな仕事の一つとしてマネージャーとしての業務がありますが、「皆さんにはマネージャーという仕事をきちんとイメージしてもらいたいです」と和田氏。マネージャーと言えば車での送迎、荷物運びなど身の回りの世話がイメージされがちですが、「マネージャーとはタレントのプロデュースが仕事です」と言います。ホリプロではマネージャーの車でタレントの送迎は禁止。付き人ではないと話しました。 自己分析をして自分にフィットする会社を探そう 和田氏は2005年にホリプロへ入社。入社の動機は「可愛い女の子や流行が好きだった」と話し、自分が好きなものを広めていく仕事がしたいと思ったと語りました。 ただ、学生のときには「自己分析なんて必要かなと思っていて、なあなあにしてしまった」と話しました。現在人事部で新卒採用にも関わっている立場から、自己分析は「自分にフィットする仕事や会社との出会いのために必要」であると言います。 和田氏の考える「働く」とは「自分の時間や能力を使って社会に(誰かに)貢献する。それによって対価を得ること」と話します。対価とは仕事を通じて得られるもの。何のために働くか、と問いかけた和田氏は「正直なんでもいいと思います」と語りました。お金、夢、人脈、やりがい…働くことを通じて何を得たいかはそれぞれですが「自分自身が本当に望んでいるものでないと幸せになれない」と強調しました。仕事の選び方のポイントは「仕事を通じてどんな生き方をしたいか、何を手に入れたいのか」を自己分析することからはじめ、自分の得意なこと(能力)を使ってそれらを実現できる仕事を探すことだと伝えました。 自分で選ぶことの大切さ 続いての登壇はホリプロ・グループ・ホールディングスの取締役で経営管理本部長の池橋氏。経理や人事を束ねる立場の池橋氏は「自分がキャリアを語るようになるなんて思ってもみなかった」と言います。若いうちにキャリアを考えることは必要ですが、今決めたゴールにひたすら向かっていくのではなく都度考えて行動することの大切さを話されました。 池橋氏はドラマで見た東京に憧れ、大学入学時に上京。就活のときに中国は自転車やバイク社会であることを知り、中国に路面電車を引きたいと強く思います。企業の情報を得るにも苦労する時代でしたが、車両製造業や商社など手当たり次第にアピール。そこで鉄鋼会社に縁があり就職します。渋谷の再開発事業に関わり、「街を作る」ということに面白さを感じていたところ、工場立ち上げのため中国に赴任。そこで現地の人員と信頼関係を築き、より良く働けるルールを作ることにより、仕事の成果が上がったことで人に関わる仕事がしたいと思うように。その後ホリプロに入社した理由は「人の価値を極大化するビジネスを行っていると思った」からと話しました。 「仕事は3つに分類できると思っています」と池橋氏。それは、やらなきゃいけない仕事、やれる仕事、やりたい仕事。やりたいことをやるためにはやらなきゃいけない仕事に一生懸命取り組み、やれることを増やしていくことが大切だと語りました。そして「今までの転職などもすべて自分で決断してきた」と話し、自分で選んだから今があると思えるように、自身で選択することの重要さを語りました。 自分の能力を見つけるには? 講演後、学生たちはグループで感想を話し合いました。そして質問をリアルタイムで掲示板に投稿。深澤教授が読み上げる形で質疑応答が行われました。 「自分の能力を見つけるために、学生のうちにやった方がいいことは?」という質問には和田氏は「自分が面白そうと思ったことに首を突っ込む、いろんな人に会いに行く」と話し、池橋氏は「興味がないことをあえてやるのもいい。意外と面白いこともある」と回答しました。 たくさんの質問の中には、池橋氏に対して「まだ中国に路面電車を引きたい?」というものもあり池橋氏は「引きたい」と力強く答え、学生たちも笑顔に。「ただ今では、あの時の気持ちは、自分が役に立ちたいという思いだったと気付きました」と誰かの人生に影響を与えたい一端だったと回答されました。学生たちは楽しみながら「働くとはどういうことか」を考える知超な機会になりました。 担当教員からのメッセージ 今年初めてお迎えしたホリプロ様、お二人のお話しは、リアルな体験談をふんだんに盛り込んでいただいたこともあり、学生はあっという間に引き込まれてしまいました。お二人に共通する点は、やはりご自身の軸をしっかりと築かれ、変化を恐れずに行動を積み重ねてこられたキャリアデザイン、思うようにいかなくても、決して諦めることなくチャレンジを続けることでした。一見する華やかに見えるエンターテインメントの世界も、それを支える方のご苦労は大変大きいものがあると、改めて感じました。貴重なご講演をいただけたことに心から感謝申し上げます。 2023年9月5日 新しいミュージアムグッズを考えよう!「実践キャリアプランニング」の印刷博物館とのコラボ授業で学生たちが課題発表を行いました。 共通教育科目「実践キャリアプランニング」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、7月7日に印刷博物館とのコラボセッションが行われました。新しいミュージアムグッズを考えるという課題の後半6グループの発表です。プレゼンの時間は7分。印刷博物館から石橋氏、式氏、前原氏が見守る中、さまざまな視点から考案したグッズの発表を行いました。 若者向けにカプセルトイを 後半戦のトップバッターはグループ10。若者をターゲットにカプセルトイで販売するアクリルキーホルダーを提案しました。アクリルアイテムは推し活の影響で需要が高まっているグッズです。カプセルトイの需要も高いことをデータで示し、1回で1000円以上使う若者も多いと話しました。昔の広告や浮世絵などレトロなデザインの商品は若者にも人気で、外国人も購入するのではと考えました。聖書の細かい意匠を再現できれば印刷博物館の技術の高さも示せて話題性につながると提案しました。 発表後の講評では、式氏から「プレゼン資料だけでは分からない熱意が伝わり印象的でした」と感想がありました。 次のグループ3は、グッズから印刷博物館に興味を持ってもらえる商品を考えました。1つ目は企画展の図録の豆本です。企画展の図録は一番人気ですが、若者にとって手軽に買える値段ではありません。カプセルトイにして販売することで若者も手軽に購入できるとしました。2つ目は日傘で、光があたるとホログラムが浮かび上がる技術を使うことを提案しました。企画展のポスターから図柄を採ることで実際に使用されることが宣伝につながるものを考えました。 式氏は「実現性は少ないかもしれないが、それくらい突飛なアイデアが出てくることを期待していたのでとても面白かったです」とコメントされました。 自分たちがほしいグッズはどんなもの? グループ9もカプセルトイで勝負。学生たちが印刷博物館に行ったとき、手持ちの小さなバッグでも持ち帰れて手頃な金額のお土産がなかったことを指摘し、カプセルトイであれば条件をクリアしているとしました。プロローグに展示されている「印刷する人」をフィギュアにすることを提案。フィギュアはコレクションとして集めやすく、「何より自分たちが欲しい」と訴えました。もう1案は運気が上がる活字を活版印刷した「活字守り」で、財布にも入れておけるものを考えました。 前原氏からは「フィギュアは自分たちでは見慣れてしまっていましたが、売れるのかもと思いました。活字守りはおみくじなどもいいかも」と、提案に広がりを感じた感想がありました。 グループ5は推し活で使えるステッカーを提案。うちわサイズとスマホサイズで、自分が使用したいフォントを選べるものを考えました。印刷博物館で推し活に使えるものがあれば話題性があり若者に知ってもらえると話しました。印刷博物館は立地として東京ドームが近いためイベントのある時に使えると宣伝し、スマホケースに入れたりうちわに貼ってライブに使えたりするようにします。 石橋氏は「推し活を前面に出したというのが面白い視点」と感想を話しました。式氏からは「プレゼン資料だけでは分かりづらかったので、話の内容をサポートするような資料をもう少し作りこんでもらえていたら良かった」とアドバイスがありました。 プレゼントにもしやすいグッズ グループ11は買って帰りたいと思ってもらえる商品として、クッキーを提案。印刷博物館の外見のパッケージのものと印刷機を模したものを考えました。また印刷博物館でしか買えないものとして、フィギュア型スタンプの案を出しました。手のひらサイズの印刷機などのミニチュアの底がスタンプ式で、インテリアとしても使えるものを例にあげました。どちらもプレゼントしやすく、お土産でもらうことで認知度アップにつながるとしました。 発表後は式氏から「クッキーはオーソドックスなものだったので、自分たちも当たり前すぎて発想していなかったと気付かされました」と、前原氏からも「スタンプは印刷と親和性があるがオリジナルのものはなかったなと思いました」と気付きがあった提案と評価されました。 プレゼントにもしやすいグッズ 最後のグループ12は、ビーズアクセサリー&ストラップを考えました。駿河版銅活字をモチーフにした文字を選べるもので、自分や恋人、推しのイニシャルなどを付けられるとしました。オンラインでも販売しやすく、一年中身に付けられるため自分用の推し活や、プレゼントにも向いていると伝えました。 前原氏からは「実際にアクセサリーにするには駿河版銅活字は合うのかなと思いましたが、提案は素敵でした」と話されました。 社会に出てからも生かせる力を学べるプレゼン 授業の最後には優秀賞の発表があり、印刷博物館賞はグループ9が受賞しました。石橋氏からは「今回は全グループのプレゼン能力が高く非常に点数も競っていましたが、グループ9はプレゼンや資料作りも一つ一つ丁寧でした」と評価されました。グループ9の学生は「フィギュアができたら買うのでぜひ商品化してください」と嬉しそうにコメントしました。 最後に印刷博物館の皆様から総評をいただきました。式氏からは「チームで力を合わせてやり遂げたということで自分たちをねぎらってほしいと思います。また他人のプレゼンテーションを見ることも学びがあるなと自分も勉強になりました。皆さんも他のチームの良かったところも吸収してほしいと思います。いただいた提案は、館内で共有して次に繋げていきたいと思います」と話されました。 担当教員からのメッセージ 包括連携協定を結ばせていただいたご縁からコラボ講座を実施させていただき今年が2回目となります。一見すると商品開発は比較的取り組みやすいテーマに見えますが、実は大変奥深いものがあります。とりわけ今回はアイデア勝負になることなく、徹底的に「なぜ」を考えて欲しいという印刷博物館様からのご指示もあり、現状分析や、印刷博物館らしさをどう盛り込むかなど、学生たちの白熱した議論が続いていたという印象を受けました。限られた時間の中で、考え抜いて提案するプロセスは、「プロジェクトマネジメント」を学ぶ一歩、学生たちにとっては貴重な経験をさせていただいたと振り返っております。昨年に引き続き、多大なるご支援をいただいた印刷博物館の皆さまに心から感謝申し上げます。 2023年8月9日 印刷博物館の魅力を伝えるグッズとは?「実践キャリアプランニング」の印刷博物館とのコラボ授業で学生たちが課題発表を行いました。 共通教育科目「実践キャリアプランニング」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、6月30日に印刷博物館とのコラボセッションが行われました。印刷の歴史を伝え、新しい顧客獲得のための新しいミュージアムグッズを考えるという課題に対する提案です。印刷博物館から石橋氏、式氏、前原氏が発表を見届けます。プレゼンの時間は7分です。全12グループ中、この日は前半の6グループがさまざまな視点から考案したグッズの発表を行いました。 若い女性が手に取りやすいものは? 最初の発表はグループ8。若い女性をターゲットにオタクの間で流行っているグッズであるネームプレートを提案しました。色を選べることで推し活の一つに取り入れやすいことが特徴です。東京ドームなどの施設に近い立地から、イベントまでの時間つぶしにも利用してもらうことを想定しました。印刷博物館ならではのデザインやフォントを選べるようにして話題性を持たせました。発表後の講評では、石橋氏からは「書体を選べるのがいい」と感想があり、式氏は「ネームプレートがどれくらい流行っているのかデータがあればさらに説得力が増した」とアドバイスされました。 続いてのグループ2は、現在販売している商品はお土産としての単価が高く感じると問題点を指摘。手軽に手に取れる商品として、ステッカー、ハンコケース、お菓子を提案しました。ハンコケースは、ハンムラビ法典の形がハンコケースに似ているところから発想し、ハンコは印刷にも親和性があるとアピールしました。名入れもできることで、話題性も担保しました。式氏は「単価の高さや種類の少なさについて分析がしっかりされているんだなと聞いていて分かったので、その点を資料にももっと詳しく載せてもらえたらよかったです。ニッチなものに目を付けたのも面白く感じました」と評されました。 印刷博物館に来ない層にどうアピールする? グループ1は来場者の中で10代の割合が少ないことに着目。特に小中学生は電子機器から情報を集めることが当たり前で印刷技術に興味がないと考えました。そこで若い世代に印刷技術を広められる、夏休みの自由研究キットを提案。プロローグにあるジオラマを模した立体パズルです。組み立てることで印刷技術も理解でき、研究物として提出できるという商品です。前原氏は「自由研究は需要がある。夏休みには多くの小学生が来るので着眼点が良いと思いました」と感想を述べました。石橋氏は「10代の中で、中高生に来てもらう需要はあるかもう少し深堀りがあってもよかった」と指摘されました。 グループ7は、来館者に女性が多いことからイニシャルアクセサリーを考案。聖書で使われている飾り文字をモチーフにして、自分でパーツを選べるネックレスやイヤリングを提案しました。印刷博物館にはまだアクセサリー商品はないので需要はあるとしました。また、鍵付き聖書のデザインを模した手帳型スマホケースや、ページごとに異なる紙を使用した紙図鑑を提案。オンラインでも販売しやすく実用的なものをメインに考えました。石橋氏は「商品はどういうものなのか画像やイラストで伝えてもらい、分かりやすかったです。なぜこの商品がいいのかという裏付けがあるとさらに良かった」と感想を述べました。 具体的にどう販売すると効果的? グループ4はガチャガチャで販売するエコバッグを提案。現在印刷博物館でもエコバッグは販売していますが、少々高価です。デザインも若者が惹かれるものがないと指摘しました。ターゲットは若者や外国人とし、実用的で安価なものであれば若者も購入しやすいと、ガチャガチャ式で販売することを提案しました。講評では式氏からは「選んだ柄の理由を知りたかったなと思いましたが、価格設定やデザイン図などが細かく詰められ、具体的なイメージが湧くプレゼンで完成度が高かったです」と感嘆の言葉がありました。 最後のグループ6はZ世代に行ったアンケートで、ステッカーをスマホケースに挟む人が8割という結果をもとに、「活版いんさステッカー」を考案。話題作りとして人気コンテンツや企業とコラボすることを提案しました。例えばディズニーや有名映画など、限定のデザインのものを販売し、裏に印刷博物館の説明を記載します。ただデメリットとして、売れたとしても一過性になる可能性があることにも言及。しかし販売後の展望としてSNSで拡散され印刷博物館の認知度アップになると結論付けました。石橋氏は「商品名が具体的。デメリットも見せてくれ、販売後の展望も見せてくれたのは他のグループにはなかった視点でした」と感嘆されました。前原氏も「資料が可愛らしく、細かいところまで気が配られていました」と話しました。 分析力、プレゼン力にも優れたチームは? 一週目の最優秀賞はグループ6が受賞。印刷博物館の皆様から記念品が贈呈されました。学生たちは「みんなで考えて作ったものを評価してもらえて嬉しいです」と感想を話しました。 最後に式氏が「評価項目は分析力、提案、印刷博物館としてのミッション達成度、スライド、プレゼン力の5つでした。グループ4もかなり拮抗して悩んだのですが、持ち時間いっぱい使いきりアピールしてくれたグループ6を最優秀としました」と授賞理由を話されました。 来週は残りのグループが発表をします。資料はすでに提出済みですが、今回のプレゼンでいろいろな提案や視点があることに気付いた他のグループの学生たちは、さらに良いものへブラッシュアップして発表に臨みます。 担当教員からのメッセージ 印刷博物館さまにご支援いただくのは昨年に続いて2回目となります。昨年は、来場者を増やすための集客方法が課題でしたが、今年は、具体的なミュージアムグッズの企画というお題をいただきました。しかも、印刷博物館様からは、単なるアイデアフラッシュでは要件を満たさない、なぜなのかをしっかりと分析して欲しいというリクエストがあり、この部分について、学生たちは最も頭を悩ませていました。本日は、前半の6グループの提案でしたが、限られた時間の中て、その「なぜ」について議論したことが伝わってきました。来週も期待したいと思います。 2023年7月10日 新しいミュージアムグッズを考えよう!「実践キャリアプランニング」の授業で印刷博物館とのコラボ授業が行われました。 5月26日に国文学科「実践キャリアプランニング」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、印刷博物館の皆さまをお迎えしてコラボ授業が行われました。印刷の歴史や文化の価値を伝える企業博物館。さらに多くの人に知ってもらえるよう、学生たちは新しいミュージアムグッズを考える課題に取り組みます。 印刷博物館ってどんなところ? 印刷博物館は凸版印刷株式会社が運営する企業博物館です。2000年に開館。100周年事業の一環として設立されました。本社ビルのミュージアム棟にあります。企業博物館と言えば社歴や代表的な商品を紹介するのが一般的。ただ印刷博物館は「企業博物館でありながら企業色をかなり薄めています」と式氏。印刷産業というものが文化の形成にどう貢献してきたのか、印刷の歴史を紹介する公共文化施設の役割を持っています。奈良時代のものから最新の印刷技術のものまで、さまざまな種類の印刷物を7万点ほど所蔵し、印刷の日本史や世界史、技術の進化などを紹介。また、活版印刷を体験できる印刷工房も併設され、カードやレターセットなどを作れるワークショップも開催されています。 式氏は「デジタル化の時代の中、印刷業界は斜陽と言われていますが、社会や文化の発展に大きく貢献してきた印刷の役割や意義を、次世代に伝えていくことがミッションです」と語りました。 企画展は博物館の花形 企画展の開催時は来館者が一番増える時期。全体の来場者数の50%が企画展来場者です。年1回、3ヵ月ほど毎年趣向を凝らし、さまざまな側面から印刷文化を深堀する企画を展開しています。ヴァチカン教皇庁図書館の貴重な写本の展覧会や地図と印刷の歴史、武士と印刷の関わりなども。2018年に行った「天文学と印刷」の企画展は話題を呼びました。 来館者の多くは20~40代の女性が多く、歴史やデザインを学ぶ大学生が多いのも特徴です。また企業博物館という特徴からビジネスマンもコンスタントに来館します。ただ、企画展の期間は客層も一変。「地図と印刷」の企画展では40~50代男性が圧倒的に多く、遠方からの人も。企画展の特徴により来場者層は変わるのです。来館のきっかけは、やはりSNSやWebサイトで企画や印刷博物館に興味を持つ人が多く、式氏は「重要な窓口になっています」と話しました。 ミュージアムショップの商品開発に挑戦! いよいよ石橋氏から今回の課題の発表です。課題は、印刷博物館の「新しいミュージアムショップグッズの開発」です。「普通お店では『ヒット商品を考えてください』というものが多いと思いますが、ミュージアムショップではちょっと違う」と石橋氏。印刷博物館は展示品を通じて印刷の価値を伝えることがミッション。ミュージアムショップの商品も、印刷のエッセンスや面白さが伝わるものが重要になります。 博物館は場所が固定されており、来ていただくことが前提になります。遠方で来場できない人やそもそも印刷に興味がない人への訴求が課題です。そこでミュージアムグッズをお土産として未来場者に渡すことで認知が広がったり、商品の話題性によって興味関心を集めたりということが求められるのです。 ミュージアムグッズについて知ろう 次に前原氏から印刷博物館ではどんなミュージアムグッズがあったかの紹介がありました。定番のポストカードやクリアファイルの他、収蔵物や展示関連の書籍などがスタンダード。収蔵物の一部がプリントされたTシャツやマスキングテープや、活版の活字を再現したコーヒーシュガーなどオリジナルグッズも多数あります。最近ではガチャガチャで販売したアクリルキーホルダーも人気を博しました。さらには紙や活字を厳選し、職員が手作りで作るレターセットやカードも。時間はかかりますが、名入れレターセットなどは贈り物として人気です。 グッズの売り上げも企画展関連商品が50%を占めます。しかし、SNSで話題を呼んだ商品は企画展期間以外でも継続して売れることも。「天文学と印刷」の企画展の図録はSNSで話題になり、重版されました。石橋氏は「商品自体が話題性を呼びさえすれば、博物館を飛び越えて人々に伝えることができる」と話しました。 実際に商品化も夢じゃない!? 「とはいえ何かを作るということは非常に難しいです」と石橋氏。そこで3つの視点を紹介されました。誰のためにつくるのか「Whom」、何をつくるのか「What」、どこで売るか「Where」です。石橋氏は「売る場所は印刷博物館に限らなくてもいいと思う」と言い、「なぜその商品が必要なのか、その商品があることでどういった人たちにどういった形で印刷文化を伝えることができるのかを、考えていただきたいと思います」と話しました。 最後に式氏から、昨年の同授業について言及がありました。昨年は、来館者を増やす施策という課題に学生たちが挑みました。中で提案があった近隣施設とのコラボレーション案と館内撮影解禁の案は、実際に実現しています。「架空のグッズを考えてくださいということではありません。素敵な案は採用される可能性がありますよということをお伝えしておきます」と、学生たちの企画に期待を寄せました。 講演後、学生たちは早速グループディスカッションを開始。6月末に最終プレゼンに臨みます。 担当教員からのメッセージ 本学と包括連携協定を締結させていただいたことをきっかけに、昨年からこのコラボ講座のご支援をいただいています。今年もグループの代表者や有志が、印刷博物館を見学。印刷博物館の皆様に、とても丁寧にご説明をいただき、印刷博物館の意義などについてレクチャーを受けさせていただきました。今年のお題はグッズ開発、これから2週間のグループワークを経て、プレゼンテーションに臨みます。学生たちの豊かな発想、そしてチームワークに期待したいと思います。今年度も、お題の構築、視察などにご尽力いただいた印刷博物館の皆さんには、心から感謝申し上げます。 2023年2月21日 「実践キャリアプランニング」の授業でロレアル パリとのコラボが行われ学生たちは「人権問題に配慮したCM」について発表しました。 共通科目「実践キャリアプランニング」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、食生活科学科の学生と、ロレアル パリとのコラボが行われました。学生たちは出された課題「人権問題を意識し配慮の足りた広告を作るために大切なこと」をプレゼンしました。プレゼンでは実際に使用されたCMを例にとり、発表後には菊池氏や山下氏からフィードバックがありました。プレゼンは2週にわたって行われ、この日は後半の9グループが発表を行いました。 人権問題についての意識とは トップバッターの1班は肌色問題から人種について考えました。大手食品会社のアニメCMでは選手の肌が実際より白いことが問題になりました。クレヨンなどの「肌色」は2000年頃から、多人種の肌色の固定概念をなくすため「うすだいだい」と呼ばれています。肌の色の固定概念をなくすことが大切であるとまとめました。 菊池氏は「肌色という固定概念を植え付けられていたなと気付かされました」と話しました。 次の14班は、飲料と異業種のコラボCMを紹介。さまざまな人種が出演しており、家政夫が男性です。対して脱毛の車内広告は若い女性のみが起用されていることを指摘。性別や年齢にとらわれない広告を作成するためには、第三者からの視点も必要と提案しました。 山下氏は「脱毛のモデルが若い女性ばかりと気付かされました。脱毛は恥ずかしくないという意識改革も必要」と共感しました。 洗濯洗剤のCMにおける男女差を取り上げた8班は、悪臭の原因は男性から、主婦が洗濯という偏見に言及しました。対してあるブランドのCMは男性俳優を起用し、固定概念を覆していると評価。男女差別がなくならないのは受け手が無知だからとし、視野を広げて自分から関心を持つことが大切と訴えました。 菊池氏も「(評価されたCMは)男性も共感を呼びやすい作り。男性の家事需要に合わせている」と着眼点の良さを褒めていました。 性差別をどう解消するか 15班は大手化粧品会社のCMを紹介。結婚や若く見られるなど、年齢で女性の価値を決めてしまっていると取れるCM例をだし、「メイクは人の価値ではなく自分の個性を作るもの」と伝えました。女性はメイクをしなくてはならないという固定概念を覆すために男性を広告に起用するなど、異なる価値観を取り入れることが大切だとしました。 山下氏は「時代として可愛いという価値観ではなく、自分に似合うものはなにかという方向に進んでいる」と共感を示されました。 16班は昔と今のおむつのCMを比較。40年前は女性が家事と育児の対象となっていましたが、最近のあるCMでは男性が起用され育児する姿を見せています。男女の固定概念にとらわれず、家事や育児も女性だけではなく両者に向けることを伝えました。 菊池氏は「赤ちゃんのために男性がおむつを選んでもいいという発信をしている例。素敵な例を見つけてくれた」と感心されました。 5班もおむつCMを取り上げました。母親のワンオペ育児を連想させるCMを批判を受けた例として提示。経済力の差を感じてしまうため有名タレントは使われづらい育児関連商品のCMには女性が起用されることが多いのですが、ある製品では男性タレントを起用しイメージを変えたことにも言及しました。 山下氏も「タレントも含めどんどん男性を出していくべき」と共感されました。 ジェンダー問題を意識した広告 11班はインフラのCMを取り上げました。男性が家事や育児を行い、女性が働いている描写があり、性別のイメージで固定しないことが配慮と考察しました。悪い例として挙げられたCMでは「脱毛をしていないと良くないことが起こる」というネガティブなメッセージングが問題に。「広告で性別に対する偏見を覆すこともできる」とポジティブなメッセージを伝えることが大切と提案しました。 菊池氏は良い例に上がった企業は、大手の優良企業であるとし「就活を考えるなかで、企業がどうマーケティングしているかみるといいと思います」と助言も出ました。 4班は大手百貨店が賛否両論を受けたCMを例に挙げました。日本での女性の生きづらさを訴えた広告でしたが、食品を顔に投げつけられても笑っているのは我慢させられているように見えるなど批判も浴びたCMです。「人権問題を意識するあまり逆に配慮が足りないと思われてしまうこともある」と広告の難しさを伝えました。 山下氏は「賛否両論あるCMを挙げたのは勇気あり、考えさせられました」と語りました。 ラストの10班はLGBTQに着目。マッチングアプリの広告は男女のみを描いており、恋愛=男女という認識が根深いことを伝えました。また、大手アパレルが作成した女性カップルの日常を描いたCMを紹介。このCMには批判的な意見も多かったと紹介しました。しかし「今以上に大きな声で発信していくことが大切」と偏見をなくすことの重要さを伝えました。 菊池氏は「やるなら批判があってももっとやるべきという意見はその通りだと思う」と学生たちのまっすぐな気持ちに感嘆しました。 人権問題に取り組んでいける社会人に 2週にわたったプレゼンも終了。最後にこの日のロレアル パリ賞が発表されました。選ばれたのはLGBTQを取り上げた10班でした。学生たちも各班に点数を付けており、後日学生間賞も決まります。 最後に菊池氏から総評をいただきました。「マーケティングのことを考えてもらえればと思っての課題でしたが、どの発表もとても面白かったです。皆さんも、提示された悪い例のようにならないように頑張っていきましょう」とこれからの時代を生きる学生にエールを送りました。 深澤教授の話 ロレアル・パリ様には、今年度、初めてご支援をいただきました。私自身も食物科学専攻のクラスを担当するのも初めてということで、テーマ設定に悩んでいたところ、ロレアル・パリ様とのご縁をいただき、素晴らしい内容を構築いただきました。まずは、Voice Up Japan様にご協力いただいたStand UPにフォーカスした講義をいただき、ジェンダーや平等、社会での活躍の話をいただきつつ、ストリートハラスメントについて学ばせていただきました。その後は、ロレアル・パリの菊池様、山下様にお越しいただき、ジェンダー論×マーケティングについて、昨今のinclusivityに焦点を当て、ジェンダーやセクシュアリティ、人種を意識したマーケティングについての講義とグループディスカッションそしてプレゼンテーションセッションに繋がる内容となりました。食物科学専攻の学生さんの学びとは、一見遠いようで、実際に取り組んでみると、かなり強い結びつきを発見出来たことも事実であり、大変貴重な学びの場となりました。ロレアル・パリ様には、この場を借りて心から感謝申し上げます。 2023年2月21日 ロレアル パリ様をお迎えし、企業の課題を一緒に考える特別コラボセッション。学生達から様々な解決策が発表されました ビジネスの最前線で活躍する方々をお迎えし、企業が直面する様々な課題を知り、その解決策を探る特別コラボセッション。ロレアル パリ様をお迎えした授業のまとめは、学生達のプレゼンテーションです。ジェンダーや人種などの人権意識が高まる中で、これからの広告はどうあるべきなのでしょうか。その未来像を考えました。 前半9グループのプレゼンテーションでは、様々な広告表現に注目 まとめの授業では、グループごとに前半と後半に分かれてプレゼンテーションを行いました。ロレアル パリからは、菊池氏と山下氏が同席。それぞれのグループの発表に対して、様々な角度から評価コメントがありました。 ①グループ7おもちゃ業界が育む“ジェンダーフリー” 子供用玩具を通して小さい頃からジェンダーの刷り込みが行われている事例を紹介。自由にカスタマイズできる着せ替え人形を例に、ジェンダーにとらわれずに自由に遊べる世界の重要性を指摘。 菊池氏「おもちゃという着眼点はおもしろいですね。買う人(親)と使う人(子ども)が違うおもちゃはジェンダーの刷り込みが起こりやすいですが、おもちゃから変えることで新しい循環が創れそうです」 ②グループ6化粧品でみる人権問題 メイク=女性という縛りを改善した、近年の化粧品広告事例を紹介。人権問題を意識した広告は「~らしさ」などの固定概念を取り入れない、商品の特徴や良さを伝えるキャッチフレーズが大切。 菊池氏「メイク≠女性という社会の意識は広がっています。化粧品ブランドの取り組みに、今後も注目するとおもしろいと思いますよ」 ③グループ12ジェンダーバイアスに目を向ける 家事=母親という表現になっているTVCMをいくつか紹介。性別や年齢に関係なく、家族が家事を分担することの大切さを強調。 菊池氏「広告には必ず意味がある。企業の視点で『なぜこの広告を創ったのか』と考えると、また違ったことがみえてくると思います」 ④グループ3人権問題を意識した配慮の足りる広告とは 洗剤とハンドクリームの広告に注目。webサイト上のアンケートの対象が女性のみという商品と、性別や年齢を問わない広告に変えた商品を対比。広告は性別や年齢ではなく、使用するタイミングや季節感の訴求が大切。 山下氏「アンケートの対象に注目したのがすごいですね。昔からある製品は、過去から現在までの広告の変遷をたどると新たな発見がありますよ」 ⑤グループ18洗濯・柔軟剤広告 最近は洗濯≠女性という広告が増えているが、柔軟剤はまだ女性の商品というイメージが強い。韓国のブランドを例に挙げ、男性=消臭、女性=フローラルではない広告の可能性を紹介。 山下氏「韓国の事例への着眼点は素晴らしい。洗剤のCMに若いイケメンばかり登場するのは主婦層に訴求するためなのかなど、広告の意図も考えるとおもしろいですよ」 ⑥グループ2人権意識ない広告 肌の色の扱い方で炎上した中国の洗剤の広告を紹介。具体的な改善点を通じて、差別につながらない広告に大切なことを検討。 山下氏「人種以外にも、不美人を美人にするなどの容姿の差別もありますよね。差別とはなにか、深く考えることが大切だと思います」 ⑦グループ17人種差別について 米国大手アパレルメーカーを中心に、これまで炎上した広告を例に人種差別にならない表現を考えた。広告に多様な人が登場する重要性を指摘。 菊池氏「国内の大手アパレルメーカーには、時代の流れに合わせてビジネスと倫理の両輪を上手く回しているところがあるので、広告表現に注目するといろいろな学びに出会えます」 ⑧グループ13人権問題と広告 男性もメイクをすることを前提にした韓国化粧品の広告と、母親が料理をする食品メーカーの広告を対比し、世の中に浸透しているジェンダーのイメージの改善が必要なことを強調。 菊池氏「韓国では男性の20%がBBクリームを使用していますが、日本はまだ一桁。男性メイクをどう伸ばすかが課題になっています」 ⑨グループ9人権問題について考える 1970年代の美容広告のモデルを様々な人種のLGBTQ+に入れ替え、現代風に再現する広告を例に、先入観を失くして多様性を意識することを指摘。 山下氏「先入観を無くすのは難しいことですよね。育児は夫婦がやるものでも『旦那がオムツを変えて“くれた”』と言ってしまう。先入観にとらわれず、自信を持って生きられる社会が大切ですね」 ロレアル パリ賞が発表され、受賞グループには素敵なプレゼントが 前半9グループのプレゼンテーションが終わり、ロレアル パリのお二人はロレアルパリ賞の選定へ。栄えある受賞に輝いたのは、グループ3でした。お二人によれば、評価のポイントは家事の先にあるハンドクリームに注目したことと、webサイトのアンケートデータという細かい部分に気づいたこと。グループの5人には、ロレアル パリ製品のヘアオイルとウォータートリートメントのセットが贈られ、歓声が上りました。 2023年2月21日 「実践キャリアプランニング」でロレアル パリによるエシカルマーケティングについて学ぶコラボ授業が行われました。 共通科目「実践キャリアプランニング」(担当:文学部国文学科 深澤晶久教授)の授業で、食生活科学科の学生が、先週に引き続きロレアル パリの菊池氏による講義を受けました。先週はストリートハラスメントに立ち向かう5Dの講義でしたが、今回のテーマはマーケティング。学生たちはマーケティングの流れを学び、エシカルマーケティングに大切な要素について考え、後日プレゼンに挑戦します。 マーケティングってどんな仕事? 菊池氏は「マーケティングとはなんでしょう」とまずは学生たちに問いかけました。辞書を引くとマーケティングとは、製品、サービス、流通、お客様に届けるための一連の体系的な市場活動のこと。「つまり、全部ですね」と菊池氏。製品を作るところから届けるところまで、すべての活動がマーケティングです。 マーケティングの流れとしては、1.市場の分析をする ↓2.消費者の分析をする ↓3.コミュニケーションの立案をする ↓4.販売戦略を立案する ↓5.販売し反応をもとに再度1に戻る、といったサイクルです。なかでも3の過程での「消費者インサイト」の深堀が特に大切。製品を届けるターゲットを定め、どういうコンセプトなどで広告を作るかを考える上で、消費者の「やりたいこと」と「やりたいけどできないこと」を明らかにすることは重要です。これが分かれば消費者の悩みを解決する、より消費者に響く広告が作ることができるからです。 広告を作って終わりなのではなく、その後販売時期や店舗、SNSやメディアの展開方法などを考えるのもマーケティングの仕事。それには競合他社の動きも見つつ、できるだけ良い時期や方法を見極めなくてはなりません。さらに発売したあとには消費者の反応などを蓄積し、次の市場分析につなげていくのです。 現代におけるエシカルマーケティングの重要さ 「最近では倫理的に広告を作るということがキーワードになっています」と菊池氏は言います。「エシカルマーケティング」とも言われ、社会的責任や環境問題などに対する価値観に基づいたマーケティング方法のことです。いくつか企業名も挙げ実例が示されました。 環境問題に力を入れているアパレル企業では、リサイクル素材の製品を製造したり買い物袋を廃止したりしており、またあるバス用品メーカーでは動物実験反対のメッセージが入ったショッパーの提供などを行いました。人種問題では、BLMをきっかけに「白=美しい」という潜在的な刷り込みをやめようという運動が始まっており日本でも現在「美白」という文句は使われなくなってきています。スポーツ用品メーカーもBLMに共鳴した選手を広告に起用し、大きなムーブメントになりました。このほか、セクシャリティに関する広告の実例なども紹介されました。 エシカルマーケティングに大切な要素ってなんだろう? 「ただ、よく考えてみるとこれはどうなんだろうと思う、配慮できていない広告もたくさんあります」と菊池氏。ここでいよいよ課題発表です。課題は「人権問題を意識し、配慮の足りる広告を作るために大切なことを理解する」。学生たちはグループワークで人権問題に配慮した広告、できていない広告を集め、人権問題を意識した広告を作るために大切な要素を探します。その上で、配慮が足りていない広告をどうすればよくなるのかを考え、プレゼンします。難しい課題ですが「自分が最近買った製品など身近なところから考えていってみてください」と菊池氏からアドバイスがありました。学生たちはこれからグループワークを経て、12月に最終プレゼンに臨みます。 Posts navigation ← Previous Page 1 2 ABOUT NEWS DATA TOPICS 実践女子学園 実践女子大学/実践女子大学短期大学部 実践女子学園中学校高等学校 Copyright © 2024 Jissen Women's Educational Institute (JWEI) all rights reserved

ホットニュース

フランス対オーストラリアバスケ モルデfk バカラツール無料 アダナ・デミルスポル
Copyright ©モルデfk The Paper All rights reserved.