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当ウェブサイトではJavascriptを使用しています。Javascriptを無効にしている場合、機能が制限されますのでご了承ください。 東京大学学術成果刊行助成 (東京大学而立賞) に採択された著作を著者自らが語る広場 日本語 English このページについて お問い合わせ このページについて お問い合わせ English このページを印刷する 書籍名 子ども福祉施設と教育思想の社会史 石井十次から冨田象吉、高田慎吾へ 著者名 稲井 智義 判型など 272ページ、A5判 言語 日本語 発行年月日 2022年11月 ISBN コード 978-4-326-25166-7 出版社 勁草書房 出版社URL 書籍紹介ページ 学内図書館貸出状況(OPAC) 子ども福祉施設と教育思想の社会史 英語版ページ指定 英語ページを見る eBook この本の目次を見る 福祉施設で暮らす子どもたちに対する教育に関する思想は、社会状況と関わりながらどのように展開されたか。本書はこの問いに応答するために教育思想の社会史に立脚する。この分野は歴史家フィリップ・アリエスの影響を受けて日本で1970年頃から進められ、近代教育がもたらす問題や矛盾を明らかにしてきた。本書は、キャスリーン・ウノによる保育所と母親観の社会史研究を含む、英語圏の日本研究を参照した特徴も持つ。   本書は、貧困を始めとする危機に瀕する子どもたちに対して救済や保護をして特別に養育する施設を、「子ども福祉施設」と呼ぶ。対象は、1887年に岡山孤児院を創設した石井十次から、石井が1909年に大阪市で始めた保育所と夜間小学校を継承した冨田象吉、この社会事業から1919年に創設された大原社会問題研究所で子ども問題を研究した高田慎吾へと至る、近代日本で子ども福祉施設を開拓した指導者の系譜である。一次資料は彼らが日誌と雑誌、刊行物で書いたものであり、新たに発見したものも含まれる。   彼らの教育思想は、共同体から排除されて施設に来た子どもを家族と学校、国家に囲い込む (避難させ育てる) ものであった。この知見は、アリエスが1960年の著作で「家族と学校は一緒になって、大人たちの社会から子どもを引き上げさせた」と述べた結論を広げた。日本史学者ターニャ・マウスが注目するように、石井は1912年に宮崎県茶臼原に孤児院を移転させ、ユートピアとしての平等な農村共同体を築いた。石井は当時、孤児同士が結婚しよい家庭を築くことで強い国家がつくられると考えた。冨田の報告によれば、1920年代に夜間小学校に通う子どもにその親は関心を示し始めた。1930年代に冨田は、託児所を保健機関とする法令を求める社会事業家の考えに流されずに、都市と労働の問題として子どもの救護と教育について考え続けた。ジャック・ドンズロの都市研究にならえば、冨田の考えは一貫して都市で形成されていた。   本書の最大の意義は、子どもを中心にすえ、子育て責任を母親に負わせる以上の近代教育思想に還元され得ない側面を、子どもを経済問題ととらえる高田に見出した点にある。晩年の高田はアナーキストのクロポトキンの『麵麭の略取』を読み、働く女性の余暇拡大と教養形成のために託児所があると考えた。したがって今後の課題は、親子関係を休ませる余暇とアナーキズムの視点から、公教育と福祉の役割をとらえ直すことである。   私は研究の合間に1946年5月設立の茶臼原小学校を訪れた。1945年10月に石井の孫、児嶋虓一郎が始めた施設で暮らす子どもたちがこの学校に通っている。私は、歴史に埋め込まれた教育と福祉が出会う場所にある現実と残された課題とともに、福祉に対する理解を持つ教師の養成と公教育のあり方を考えたい。本書を通じて読者が子どもと教育、福祉に関わる示唆を得ることを願っている。   (紹介文執筆者: 稲井 智義 / 2023年3月20日) 本の目次 はしがき   序章 子ども福祉施設指導者の教育思想──課題と方法   第一章 石井十次の家族観と岡山孤児院での養育      ──子ども救済事業から子ども保護事業への展開 第二章 石井十次の国民教育思想と岡山孤児院での教育      ──天皇賛美とキリスト教信仰の共存  [補論一] 石井十次の憲法構想と茶臼原移転      ──孤児院から新教育とユートピアへ 第三章 冨田象吉の育児事業論と救済事業研究会      ──孤児院と保育所の関係変容 第四章 冨田象吉の社会政策論と愛染橋夜間小学校の活動      ──不就学への対応と公立小学校普及 第五章 冨田象吉の子ども救護論と戦間期における保育所法令化論争      ──都市貧困地域と鉱業地域における幼児教育と子どもの労働保護 第六章 高田慎吾の子ども問題研究と大原社会問題研究所      ──子ども救護の「社会化」論における教育と栄養、自己修養  [補論二] 子ども福祉施設とアナーキズムの接点   終章 教育と福祉のとらえ直し   文献一覧   あとがき   人名索引 事項索引 関連情報 受賞: 第3回東京大学而立賞受賞 (東京大学 2022年) https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/research/systems-data/n03_kankojosei.html   書籍紹介: あとがきたちよみ (けいそうビブリオフィル [勁草書房編集部ウェブサイト] 2022年11月8日) https://keisobiblio.com/2022/11/08/atogakitachiyomi_kodomofukushi/ @UTokyoBiblioPlazaon Twitter 年度で探す 2023年度一覧 2022年度一覧 2021年度一覧 2020年度一覧 2019年度一覧 2018年度一覧 2017年度一覧 2016年度以前一覧 刊行物一覧を見る UTokyo BiblioPlazaへ戻る このサイトについて サイトのご利用にあたって © 東京大学 UTokyo BiblioPlazaは東京大学の商標登録です

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