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ホームコラム・寄稿Special Report Special Report わが国の成長戦略:東日本大震災からの復興を目指す中で ツイート 印刷 森川 正之 理事・副所長 ※文中資料 [PDF:410KB] はじめに只今ご紹介いただきました森川です。経済産業省で政策実務を長くやってきましたが、その間、何度か研究所や大学にも勤務いたしまして、研究と政策実務との間の橋渡しをやってまいりました。2006年に経済産業省がまとめた「新経済成長戦略」を策定する作業などにも携わりました。本日は、サブタイトルにありますように「東日本大震災からの復興を目指す中で」という要請でしたので、最初にイントロダクションとして「自然災害と経済成長」の関係についてお話をさせていただき、その後に、コアの部分として「経済成長政策の量的効果」のお話をさせていただきたいと思います。成長戦略とか成長政策というときに、最近の新聞等で、「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)をもっときちんとやらなくてはだめではないか」、あるいは「法人減税、イノベーションの促進、移民の拡大を実施すべきだ」といったいろいろな議論がありますが、そういった議論を見ておりますと、政策の量的なマグニチュードというのを意識していないものが多いように感じています。実際に成長戦略を作っていく立場になりますと、その政策を実施することで一体何パーセント成長率がアップするのかという量的なイメージを持つことが大変重要です。そういったことを考えるときに示唆になるような研究と言いますのは、日本だけではなくて海外でたくさん行われているわけでして、そういったものをある程度理解し、咀嚼しておくことが必要だという考え方に基づいてお話をさせていただきます。その後に私自身が最近行った研究に関連しますが、「都市集積と経済成長」の関係について少しお話をしたいと思います。これは東日本大震災からの復興ということで、東北においてどういった町づくりを目指していくかという議論に関係があると思って取りあげさせていただきました。そして最後に、「社会保障・税制と経済成長」につきましてもお話をさせていただきたいと思います。震災復興ということでその問題だけに非常に集中しがちなのですが、実は、社会保障・税制は成長戦略を考えるときにも非常に大きな要素でして、また、「財政の持続可能性」を考える上でもたいへんに重要だと思っております。 自然災害と経済成長私が現在所属している経済産業研究所(RIETI)では、東日本大震災の後、震災に関連するテーマで連続のセミナーを開催いたしました。その中で、『途上国化する日本』という本を書かれた東京大学の戸堂康之教授が興味深い話をされていました。日本は戦前にある程度の成長を遂げていて、これが第二次世界大戦のときに大幅に落ちた後、高度成長期には戦前のトレンドよりも高い成長率を遂げました。これが第一次、第二次の石油ショック、それからバブル崩壊を経て非常に低い成長トレンドになり、今日に至っているわけですが、さらに今回の東日本大震災で一時的に大きく生産が落ち込むということが起きました。この後、この大震災から復旧・復興していく中で震災前の低成長のトレンドに戻るのか、あるいは第二次大戦の後と同じように、それまでのトレンドを上回るような成長に乗るのかという問題について、やり方によっては復興を越えた高成長が実現できるというのが戸堂教授の主張でした。災害の経済効果についてはかなり多くの研究がありまして、私自身は必ずしもこの分野の専門ではありませんが、2つほど例を挙げさせていただきます。1つは、スキッドモア・アンド・トヤの共著論文でして、最近頻繁に引用されています。そこでは自然災害と資本蓄積、TFP(全要素生産性)、それから長期的な経済成長の関係をクロスカントリー・データ、即ち、先進国と発展途上国を含む多数国のサンプルを用いて分析されています。その分析結果によりますと、災害の頻度が高い国ほど成長率が高いという関係が見られます。その理由として、災害の多い国は人的資本の蓄積が高いこと、また、生産性の伸びが高くなるといったことが挙げられています。ただし、災害を台風に代表される気象災害と地震のような地質学的な災害に分けると、気象災害だけ成長へのプラスの効果が確認できるということで、大地震があるとその後は成長率が高くなるという意味では必ずしもないようです。ただ、一般に自然災害というものは経済成長にマイナスだと思われがちですが、決してそうではないということです。災害リスクが高いということは、つまりそれだけ構造物とか建物といった物的資本の収益率を低下させるわけで、設備投資に対してはマイナス効果をもたらす可能性があるわけですが、一方で人に投資するということの価値が相対的に高くなるということで、教育とか訓練といった人々の労働者の質つまり「人的資本」を高める投資による効果がむしろ強く出るということが1つの要素です。それからもう1つは、建物などが破壊された後、資本ストックが復旧・復興の過程で更新されるということです。設備の関係ではビンテージという言葉がありますが、より若い最新の技術が体化した資本ストックに置き換わること、それと同時に新しい技術を採用するということが促されるということで生産性の上昇に寄与すると分析しているわけです。それから、RIETIで東京大学の澤田康幸准教授たちがやはり同じような研究を行い、この2月にディスカッション・ペーパーとして発表した論文があります。そこでは自然災害だけでなくテロや戦争といった人的災害も含めて189カ国のデータにより分析しています。その結果によりますと、災害が起きた後、1年から3年という短い期間で見ますと、災害は経済厚生に対してマイナスの影響を持つということでして、特に人的災害よりも自然災害のマイナスの影響が大きいという結果になっています。ただし、災害発生後、15年とか25年という長期で見ますと、むしろプラスの効果が観察されるという結果でして、先の論文と整合的な内容になっています。先程、戸堂教授の議論を紹介しましたが、この震災復興を越えて成長ができるかどうか、従来よりも高い成長ができるかどうかということは、いろいろな制度・仕組みを変える、あるいはこの災害を踏まえてどういう新しい投資をしていくか、そういったことに依存するというインプリケーションを持っているのではないかと思います。もう1つ、これは成長の関係ではありませんが、震災について復興財源をめぐる議論がたくさんあります。ここでは資料1に基づいて「大震災と財政の持続可能性」についての1つの試算結果をご紹介したいと思います。実は、これは最近やったものではなくて、私自身が数年前に経済産業省で産業構造審議会に提出する資料の中で使ったものです。当時のことですから勿論、東日本大震災を想定していたわけではなく、首都直下型地震を念頭に置いていました。「財政の持続可能性」を考えるときに、やはり外生的なショックというのは大変にインパクトがあるのではないかと思ったわけです。そこでは仮に2020年に大震災、首都直下型地震が起きて百兆円のGDPが毀損するという状況が発生し、その後、毎年十兆円を五年間支出する必要があるというような事態となった場合に、政府債務残高がどのようになるのかを試算してみたわけです。言うまでもなく一番上にある「自然体」というのを見ますと、2030年の政府債務残高のGDP比というのが600%を超えるという非常にひどい状況です。つまり、このまま行くと政府債務は発散するということを意味しているわけです。当時、歳出の抑制と税収の拡大によって「財政の健全化」を進めるべきだという議論と「上げ潮」という議論がありました。「上げ潮」説は、経済を活性化して成長率を高めればそれによって財政の健全化は果たされるという議論でした。それぞれについて試算したものが2つ目と3つ目でして、「財政の健全化」ということには消費税の増税を含んでいるわけですが、これを実施しますと、勿論、「自然体」で行くよりは財政の持続可能性は高まるのですが、それほど改善するわけではありません。むしろ現在の状態よりは悪化するという状況になります。一方、3つ目の「財政再建と経済活性化」、要は財政健全化と日本経済全体の生産性を高めるということを同時にやるということで初めて財政がバランスしていくという姿になりました。一番下が問題の震災の影響でありまして、追加的に50兆円の政府支出を要するというケースを考えたときに、「財政再建と経済活性化」というものをやった場合と2030年時点での政府債務残高はあまり違いがありません。この結果から、何を言いたいかと申しますと、大規模自然災害の復興財源というものも非常に重要ですが、災害対策はワンショットなのに対して、歳出・歳入改革とか経済成長ということの方が実は累積的なインパクトがずっと大きいということです。特に社会保障が現在の財政赤字の大きな原因ですから、「社会保障・財政の一体改革」ということの方が、震災があろうとなかろうと財政の持続可能性のためにはむしろ非常に重要であるということを申しあげておきたいと思います。 経済成長政策の量的効果次に、それでは、どのような政策がどういった効果を持つのかということをお話ししたいと思います。私自身も2回ほど関わりましたが、このところ頻繁に成長戦略というものが策定されています。東日本大震災後の新しい成長のビジョンということに対する期待も多分高いと思いますし、そうした中で、冒頭でも申しあげましたようにマスコミ等では「TPPあるいは法人減税、イノベーション、あるいは移民をもっと増やすべきだ」といったようないろいろな議論が行われています。ただし、具体的な成長政策を考えるときには費用対効果、特に効果がどれくらい大きいのかということが非常に重要になります。したがいまして、各種の政策がどの程度の量的なインパクトを持つかということをある程度大まかにではあってもイメージをすることが必要ではないかということで、これまでの内外の種々の研究をもとに、政策がどの程度のインパクトを持っているのかを概観したいと思います。もちろん、個々の数字は少し幅を持って理解していただきたいと思います。2006年以降、政権が毎年のように変わっていまして、政権が変わるごとに新しい成長戦略というものが作られて今日に至っています。資料2の「実質GDPの推移」は単純なファクトをご紹介したものです。「新経済成長戦略」が2006年に作られましたが、そのときに「いろいろな政策を講じることで、今後10年間、年率2.2%の実質成長率を実現していく」という姿を描いたわけです。当時、内閣府で「改革と展望」というものが作られていまして、これは2%程度の成長という目標でしたが、今から振り返れば比較的似た姿になります。一方、下に落ちているのが現実のGDP(先日の二次QEまでの情報)でして、2011年についてはEPSフォーキャスト調査の中央値を使用しています。「新経済成長戦略」を策定したときの想定と比べて2011年度の時点で現実のGDPは七十六兆円も下回るという非常に大きな乖離があるわけです。この間リーマンショックがあり、また足元で震災もあったということで、この毎年毎年の成長率が低かったり、落ち込んだりしたことの累積的な影響というのは非常に大きいということを改めて確認していただけるのではないかと思います。少し議論が脇に逸れるかもしれませんが、成長ということを考えるときに、特にグローバル化している中ではGDPという一般に使われる統計よりもGNI(国民総所得)の方がむしろ意味があると考えています。実は、この数年、資源エネルギー価格の相対価格が上がるということで交易条件が悪化しています。輸入するものが高くなって輸出するものが安くしか売れないということで交易条件というものは悪化するわけです。交易条件が悪化すると、それはGDPの成長率よりもGNIで見た成長率が低くなるという効果があります。これが実はマイナスにずっと効いていまして、資料3にあるように2005年から2010年度という5年間を見たときに、GDP成長率もならしてマイナス0.1%なのですが、GNIで見ますと、マイナス0.5%というもっと大きなマイナスになっています。世界経済危機の後は、この交易条件効果だけではなく、海外の金利が低下するというようなこともありまして、要素所得の純受取、つまり日本が海外に持っている純資産からのリターンが小さくなるため、これもマイナスに寄与しています。ですから、GDP成長率を回復させるということとともに、この交易条件の改善といったことも国民の所得水準という意味では非常に重要だということです。ここから政策の話に入りますが、まず、資料4の「貿易自由化 (TPP)」についてです。TPPに参加すると3.2兆円の効果があるというのが内閣府の試算です。これは多数国の一般均衡モデルを使った分析でして、多分、似たモデルを使えば誰がやっても同じような数字になると思います。このTPPが幾らの効果があるかというのは、実は経済産業省が10兆円のプラスだと言ったり、農水省がマイナス10兆円だと言ったり、当時いろいろな議論がありましたが、一応、現在は、この内閣府推計がコンセンサスを得ているということです。この3.2兆円というのは、GDPの絶対額がそれだけ増えるという「水準効果」です。「成長効果」ではありませんので、仮にこの数字が正しいとすると、このTPPの効果が十年間で現れると考えますと、単純に計算して年率0.06%弱ほどGDP成長率を高める効果があるという計算になります。それから私どもRIETIで同じような一般均衡モデルを使った慶應義塾大学の安藤光代准教授の試算結果を載せていますが、このASEAN+6とかASEAN+3とか、WTOレベルのマルチの貿易自由化をやったときの効果は、かなり大きく見積もっても1%に満たないということです。「水準効果」で1%に満たないということですので、さきほど申し上げた一般的な計算をすれば大体同じ程度の量的マグニチュードだろうということです。ただし、1つ留保がありまして、実際のこのTPPとか貿易自由化の効果と言いますのは、「成長効果」もあるという議論があり得ます。たとえば、農産物市場を自由化するとか、いろいろなことを通じて「水準効果」だけではなく、成長率そのものが上がるという議論があり得ます。これについては、何人かの国際経済学の先生方にそういった分析をして試算できないか聞いてみましたが、技術的に非常に難しいようで、残念ながらそれをきちんと測るということができていないのが現状だと思います。それからもう1つ、最近の成長戦略の中では相手国のマーケットを開いて輸出市場を拡大するということがあります。これも伝統的なこうしたモデルでは効果としてあまり入ってきませんが、最近の研究では輸出が増えるということは、それに伴って輸出した企業のイノベーションが活性化され、それを通じて成長に寄与するという議論もあります。つまり、「成長効果」については経済学の実証研究の方がやや遅れていて、まだ発展途上にあるということを留保しておきたいと思います。それから、資料5の「対内直接投資」についてです。外国のすぐれた経営資源を日本に取り込むことで成長率を高めるべきだという議論があります。これはやはりやった方がいいと思うのですが、どの程度のインパクトがあるかについて計算をするときには、大体、外資系企業の生産性が日本の企業に比べてどれくらい高いのかというようなことで計算します。そうしますと、仮に対内直接投資残高のGDP比率を倍増させますと、年率0.02~0.04%ポイント程度GDPの伸び率を高めるという過渡的な効果があるという計算になります。それから、外資系企業のTFPの水準だけでなく上昇率そのものがもっと高いという議論もありまして、こちらを使うともう少し高い数字になりますが、それでもGDP成長率への寄与は0.1%ポイント程度です。ただし、そこでは考慮されてない要素があるので、もう少し現実の効果は大きいかもしれませんが、標準的な試算ではこのぐらいの数字であるということをご紹介しておきたいと思います。次に、少子高齢化が進み、かつ、人口が減っている中で、移民をもっと受け入れるべきだという議論があります。非常に雑駁な試算をしただけなのですが、今、就労を目的とする外国人の新規入国数というもののうち「興行」というものを除くと年間大体3万人ぐらいです。これは出ていく方をカウントしていないグロスの入りだけを見た数字ですが、毎年追加的にこの2倍が入ってくると仮定すると、どれくらいGDPに効くかということを、労働分配率を0.7ぐらいとして単純に機械的に計算しますと、GDP成長率が年間0.04%ポイント程度加速する効果があるという結果になります。ただし、これによってマクロのGDPが増えますが、1人当たりのGDPが増えるわけではないということに注意する必要があります。日本では移民が少ないこともあって、移民の研究は非常に遅れているのですが、アメリカやオーストラリアでは移民が多いので、この移民というのは労働経済学と国際経済学の学者にとって大変重要な研究領域になっています。したがって、たくさんの先行研究がありますが、アメリカでも移民がネイティブの1人当たりの所得や賃金に及ぼす効果は小さく、また、移民を受け入れることによる財政収支改善への寄与も非常に小さいというのが一応のコンセンサスだと思います。ただし、非常にスキルの高い高度な労働者に限りますと、そういった人が来ることでネイティブの生産性も上がるというような効果がありますので、国内のイノベーションに対しては、そういったスキルの高い外国人に限って言えばプラスの効果があるということだと思います。次に、「法人税率の引下げ」についてです。法人税率を仮に10%引き下げるとどれだけ成長率が上がるのかということについては、いろいろな議論がありますが、標準的には資本コストが下がるということで設備投資が増えるという効果が基本になります。一般的に想定されている設備投資の資本コストに対する弾性値を前提にしますと、10%法人税率を下げたときに潜在成長率が引き上がる効果というのは、年率0.1一%には満たないと計算されます。これもある程度幅を持って見る必要がありますが、おそらく0.06%ぐらいだったと思います。それから、経済学者の方、三百人ぐらいにアンケートをして、法人実効税率を10%ポイント下げると設備投資がどのぐらい増えるかというのを聞いた結果もあります。これに基づいて計算しても似たような数字が出てきます。つまり、法人税率の引下げによる成長効果というのは、量的にはそれほど大きいものではないということを理解しておく必要があると思います。それから、「研究開発」についてです。設備投資ではなくて研究開発というものに限りますと、これは大分事情が違ってきます。内外の実証研究は、研究開発投資の社会的な収益率が非常に高いということを示していまして、それがコンセンサスになっています。仮に研究開発費のGDP比率、これは現在三%台の後半ですが、これが1%ポイント上がるとどの程度GDPに効くかというのを計算いたしますと、0.3~0.4%ポイントという数字になりますから、今まで見てきたものに比べてこの研究開発というのは非常に大きな成長効果を持っていると言っていいと思います。次に、資料6の「人的資本(教育)」の問題を取り上げたいと思うのですが、イントロダクションのところで申しあげましたとおり、「災害は人的資本投資にプラスに効く」という議論がありました。一般的に教育あるいは訓練(訓練の中にはOFFJTとOJTの両方が含まれます)を通じた人的資本投資の社会的な収益率はかなり高く、特に初等教育とか就学前教育の収益率というのは非常に高いということが知られています。そういった意味で長期的に見れば国民の質をどれだけ上げられるかということが経済成長を規定する最重要な要素だと言っていいと思います。ただし、成長戦略というのをたとえば、10年間という時間的視野で考えますと、小学生は10年後にまだ働いていませんから、成長政策としての効果はないわけです。ですから、教育の効果というのが成長政策として意味があるのは、30年とか50年という長期の日本経済の成長ということを考えたときに一番基本になるということです。今や大学に進学する人が増え、非常に多くなっているわけですが、「大学教育というのがどれだけこの経済に効いているか」ということには議論の余地があると思います。単に教育年数を伸ばしていくということではなく、教育水準を確保するうえで、教師の質の向上というのが非常に重要であると思います。現にそういった研究がアメリカでは盛んに行われています。日本では、たとえば、学力テストの詳細なデータが公開されていないとか、こういった分析をするのにかなり障害が多いのですが、アメリカではこういった情報が非常に多くあります。ハヌシェックという人的資本研究の第一人者の1人は、アメリカにおける初・中等教育を念頭に置いて、「レベルの低い方から5%~8%の教師を普通並みの教師に置き換えると、成長率を1%以上高める効果がある」と言っています。果たして日本でどうなるかというのは分かりませんが、人的資本というのは万国共通の非常に重要な成長要因ですから、おそらく似た結果になるのではないかと思います。また、別の研究では、日本も含めたOECD諸国のデータによりますと、PISAで測った知的なスキルが一標準偏差上がると年平均の成長率が一・八六%高くなるという分析結果があります。PISAはOECDが行ってやっている学力の国際比較調査で、500点が平均で、標準偏差が100という指標なので、一標準偏差というのはPISAの成績で100点ということになります。一番最近のPISA2009というデータを見ますと、一番成績がいいのが上海、次いで韓国、それから香港、シンガポールというところが高く、日本はその次ぐらいという結果になっています。ですから、日本も人的資本の質を上げていく余地がまだ相当あるということですし、それを用いて仮に日本の学力が上海、韓国、フィンランド平均並みにまで上昇するというように考えますと、機械的な計算ですが、数十年という単位で見た経済成長率は年率0.5%ポイント程度加速することになるわけです。学校教育とかあるいは卒業後の職業訓練投資の収益率を見ると、幼児期ほど高く、次いで初中等教育、高等教育と低くなっていくことが知られています。幼稚園とか保育所などにおける「就学前教育」の投資収益率というのは非常に高く、ここのところでいかに質の高い教育を行うかということがその後の生涯を通じた収益率を高めるために非常に重要です。「学校教育」では、幾分、収益率が落ちてきます。そして、就学後の「職業訓練・教育」の収益率というのは余り高くありません。一時、フリーターの問題などがありまして、職業訓練をすべきだという議論がそういうときに盛んになるのですが、なかなかその段階から投資して回収できる部分というのは大きくないということがコンセンサスだろうと思います。次に、これはおそらくかなりの方に共感していただけるのではないかと思うのですが、政治の不安定性というのは実は経済成長に非常に強く関わっています。政治が不安定であるということは、将来に対する予測可能性を低下させますので、企業にとっての設備投資計画ですとかあるいは個人・家計にとっての消費計画というものを非常に難しくするわけです。特に研究開発投資とか新規採用をはじめとする人材投資は本質的に非常に長期の投資ですので、制度とか政策の安定性というものが意思決定の大前提になってきます。したがって、政治が不安定だということはこういった投資を大きく抑制するおそれがあるわけです。経済成長の実証分析の中では、政治的不安定性が経済成長率にマイナスの影響を持つということはもうかなり多くの研究で確認されています。政治的安定性の指標、例えば革命、クーデター、暗殺などが少ないといった指標を説明変数に使うわけですが、こういった変数で測った結果、政治的不安定性が低いほど成長率が高いという関係があることが確認されています。ただし、こうした変数は開発経済の文脈でアフリカなどの発展途上国をたくさん入れたサンプルでの分析が多いため、政治的不安定性と言っても革命とか暗殺というのは日本では余りありませんので、やや現実的でない部分があります。そこで最近、政権交代の頻度というものを政治的安定性の指標に使った面白い研究があるので紹介したいと思います。これによりますと、政権交代が年当たり1回多いと経済成長率が2%以上低下するという結果になっています。頻繁な政権交代というものがどういったメカニズムで成長率に悪影響を持つのかということを見ると、生産性が鈍化するというのが6割、それから設備のような物的資本、人的資本の低下を通じた影響がそれぞれ2割の寄与度であるという結果になっています。これも相当幅を持って理解する必要があると思いますが、かなり大きなマグニチュードであることは確認できます。最近の日本の内閣の平均存続期間は1年を下回っています。菅政権は1年を超えましたが、それまで366日というのが最高だったわけです。これが仮に2年間ごとですと、この計算によればGDP成長率は年率一%程度高くなるという計算になりますから、量的なマグニチュードとしては非常に大きく、TPPとか法人税の引き下げとかいろいろな議論がありますが、少なくとも政権というものが安定して人々の予測可能性を高めるということがむしろ最大の成長戦略になるのです。私は別に今の内閣がなるべく長く続くべきだとかあるいはどういう形の連立政権が長く続くべきだということを言う立場にありませんが、経済成長にとって政治の安定が重要であるということを強調しておきたいと思います。 都市集積と経済成長これは私自身が最近手がけてきた研究テーマにも関わりますので、少し紹介したいと思います。東日本大震災の後、「コンパクト・シティ」について大変に関心が高まっています。この問題は、都市集積の経済性という現象と密接に関係しています。この集積の経済性については、実は内外でたくさんの研究が行われています。RIETIの藤田所長はこの分野の世界的な第一人者です。内外の研究によりますと、「人口密度が2倍だと生産性が3%~8%高い」という関係があるというのが一応のコンセンサスになっています。ただし、製造業を対象とした分析が多かったというのが実態です。サービス業に限って言いますと、もっと集積の経済性が大きい可能性が高いのではないかという問題意識から私自身が行った分析結果を、後程紹介したいと思います。震災があったかなかったかにかかわらず、人口が減っていき、サービス経済化が進む中で、自然体でいきますと日本の人口密度は希薄化していきます。仮に全国均一に人口が減少していくということになりますと、年率で0.1%ほど経済成長率を押し下げる効果があると計算いたしました。したがって、人口が減っていく中でスマート・シュリンキングということが必要になっていると考えます。「コンパクト・シティ」というのは、どちらかと言いますと行政サービスの供給の効率化という文脈で議論されることが多いように思いますが、それだけではなくて、産業の生産性の上昇とかあるいは省エネにも寄与するということです。資料7の「地域の人口減少」は、社会保障・人口問題研究所が行った都道府県別の将来推計人口を示したものです。2010年~2035年の間に各県の人口がどれだけ減るかということを示しています。秋田県では28%減と、一番大きい減少になっています。沖縄県だけは若干増えますが、軒並み10%~20%ほど県の人口が減るという予測になっています。勿論ばらつきがありまして、東京とか神奈川県などは減少率が低いので、必ずしも均一に人口密度が希薄化していくということではありませんが、人口が減っていく中で少し意識して集積地を作る、あるいは残すということを考えていかないといけないのではないかというのがそもそもの問題意識です。次に、資料8の「日本の人口移動率の長期推移」を見てみますと、これは1年間の人口移動率ですが、総数は1970年前後に約8%とピークを示し、その後、人口移動率は減ってきています。下に都道府県内の移動と都道府県間の移動と分けて表示していますが、いずれも低下しています。これは、特に高齢化が進みますと移動をしないようなタイプの人が増えてくる、少子化により長子比率が高まるといった人口学的な要因が大きく関わっていると思いますが、現実はなかなかスマート・シュリンキングとはなりにくく、むしろ均一に人口が薄まっていくという方向に向かっている可能性が高いと思います。資料9の「人口密度と生産性」は、私自身が行った分析でして、サービス産業の生産性を小売業、製造業と比較して人口密度に対する弾性値を見たものです。このグラフが何を示しているかと言いますと、事業所が立地する人口密度が2倍だとすると、どの程度生産性が高いかという関係を示したものです。製造業でもそういった関係はありますが、比較的小さく、小売業になりますとこれがかなり大きくなり、サービス業(対個人サービス業)になりますとこれが10%を超えるという非常に大きな集積の経済性があるということです。ですから、製造業もそうですが、サービス経済化が進み、かつ、人口が減少するという中で、広く捉えればサービス産業は日本の経済の約七割を占めていますから、この生産性をどれだけ上げていけるかということが日本の成長戦略として非常に重要なわけでして、この人口の空間的な分布というものが実は成長戦略に非常に強く関わってくるということを申しあげたいと思います。それから、資料10の「都市密度と経験-賃金曲線」も比較的最近行った私自身の分析ですが、人口密度が高い地域ほど就労経験に伴う賃金の伸びが大きいということがあります。これまで教育も含めて人的資本の質というのが非常に重要だということを申しあげてきましたが、人口密度がここにも関わっているということです。太い線は人口密度が高い都市の経験年数に伴う賃金の伸びを描いたものです。それから、点線は人口密度が低いところでの経験に伴う賃金の変化を描いたものです。そうしますと、大体、勤続で30年、たとえば大学を出た人だとすると52歳ぐらいになったところでこの差が一番大きくなります。そのときのこの人口密度が低いところと高いところの差というのは大体、3割ぐらい出てくるという感じになります。ですから、人口密度がある程度あるようなコンパクトな都市を作っていくということが、これからの人的資本の質を上げていくという意味でも重要であるということになります。次は資料11の「事業所のエネルギー原単位の分布」についてです。ここでは政令指定都市とそれ以外の市町村に分けて描いています。太い線が一般の市町村でして、破線が政令指定都市です。この事業所のエネルギー原単位を描いてみますと、政令指定都市の方が左側に分布していることがわかります。ピークも左にありますし、全体として分布が左に寄っているということを確認できると思います。つまり、この政令指定都市のような密度の高いようなところの事業所はこのエネルギー原単位が低い、つまりエネルギー効率性が高いということを示しています。そういった意味で、このコンパクトで人口稠密な地域を作っていくということが東北の震災からの復興というときの街づくりだけではなくて、日本全体を考えたときに非常に重要な意味を持っていると思います。 社会保障・税制と経済成長「財政の持続可能性」について、最初にイントロダクションの中で、「震災の復興のための財源ということよりも社会保障・税制の改革の方が遥かにインパクトが大きい」ということを申しあげました。この財政とか社会保障と言いますのは経済成長にも非常に大きな影響を持っています。経済成長を加速するというのが経済政策の1つの目的ですが、そのほかに格差を是正するという別の政策目標があります。社会保障とか税に関連する政策と言いますのは、しばしばこの成長と公平性のトレードオフに直面します。たとえば、社会保障給付や負担を増やすということは、つまり大きな政府にするということになりますが、これは経済格差を縮小するという効果を持っている一方で、経済成長に対してはマイナスの効果になります。それから、先程それほど極端に効果は大きくないと申しあげましたが、法人税率の引下げというものは資本ストックの伸び率を高めるということで成長にはプラスに効きますが、一方で株式を持っている人とそうでない人の所得の格差の拡大ということにつながります。法人税を引き下げ、あるいは社会保障をもっと小さくするということは成長を促進する効果を持ちますが、所得格差は拡大するという効果もあります。それから、所得税の累進制を強化し、社会保障を拡大・充実するということは所得格差を縮小しますが、経済成長にはマイナスになります。複数の政策目標があるときには複数の政策手段が必要であるということが経済学の基本原則ですので、複数の政策手段が必要だということになります。たとえば、法人税率の引き下げをやるのであれば、それと合わせて低所得層をターゲットにした給付を行うというようなことが組み合わせとしては考えられるわけです。資料12に幾つかのポリシーミックスの効果を図示しました。縦軸は実質成長率の変化を、横軸は経済格差の指標として十分位所得格差を示しています。これは右に行くほど所得格差が大きくなり、上に行くほど経済成長率も高くなることを意味しています。真ん中にあるのが現状というように考えてください。いろいろなパターンが考えられますが、実質成長率が高くなって所得格差が縮小するという左上に行く組み合わせが望ましいということです。左上に行く組み合わせというのが非常に作るのが難しくて、ここでは唯一、「消費税を上げて、法人税を下げて、一方で低所得者に限って還付を行う」という組合せですと、実質成長率が幾分高くなって所得格差が縮小することになります。勿論、実際の金額の割り振りとか幾らからを低所得者と見なして還付するかといった制度設計の詳細によってこのパターンは当然いろいろ変わってきます。今、申しあげたのが財政中立的な組合せでしたが、財政の債務残高が拡大しているわけですから、ある程度、財政のプライマリーバランスの黒字を作っていく場合のパターンも検討する必要があります。資料13がその例を示したもので、ここではある特定の政策の効果だけを示しています。たとえば、年金給付を削減するとか医療・介護の現物給付を削減するといったことをやりますと、成長率にはプラスになりますが、非常に所得格差が拡がるという効果が出てきます。それから、法人税の引上げでこのプライマリー黒字を作ろうということをやりますと、これは成長率にマイナスになってくるということです。所得税といった直接税を引き上げることをやりましても、やはり労働供給に対するマイナスの効果などを通じて成長率に対しては引下げ効果があり、なかなかある1つの政策手段だけで経済成長率を高めて同時に所得格差を縮小するというのは難しいということがわかると思います。 社会保障・税制と経済成長以上、いろいろなことを申しあげてきましたが、結論といたしましては次の5つにまとめることができると思います。1つ目といたしましては、成長政策として、貿易自由化(TPP)と法人税率の引き下げというものが頻繁に取り上げられますが、量的な効果はそれほど大きくないということは認識しておく必要があると思います。もちろん、だからそういう政策はやらなくても良いという意味ではなく、過大な効果を期待してはいけないという意味です。2つ目は、比較的効果の大きい成長政策と言えるものは、研究開発の促進であり、あるいは教育、特に初・中等教育の質を高めていくことだろうと思います。ただし、教育の効果と言いますのは成長政策をかなり長期で考えたときに意味があるということでして、10年とか15年というスパンで成長戦略を考えるときには殆ど関係がないということになります。3つ目は、こういったことに比べ、「政治の安定」というものが成長政策として非常に大きな効果を持っているということを改めて申しあげたいと思います。大震災後の成長政策として最も重要なことは、やはり政治の安定を通じて企業とか個人にとっての予測可能性を回復させるということだろうと思います。4つ目は、都市化ということに関連して言いますと、人口が減少し、サービス経済化が進む中で人口の再配置を図っていく、即ち、「コンパクト・シティ」を作っていくというようなことが経済成長率の向上と省エネルギー、つまり環境の両立ということに寄与する可能性があるということだろうと思います。それから5つ目に、少し説明が分かりにくかったかもしれませんが、社会保障とか税制ということを考えたときに、成長を促すような政策と分配の公平性を図るということがしばしばトレードオフになるということで、複数の政策目標を達成するためには複数の政策手段を組み合わせる必要があるということを改めて申しあげておきたいと思います。以上をもちまして本日の私のお話を終わらせていただきます。どうもご清聴有り難うございました。(『銀行倶楽部』, No.524所載の講演録より転載)2011年9月20日 ツイート 2011年9月20日掲載 印刷 この著者の記事 日本企業の中期実質賃金見通し 2024年3月 4日[コラム] 賃金コスト上昇の適切な価格転嫁 2024年3月 4日[新聞・雑誌等への寄稿] 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