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(編集部)アルツハイマー病の「発症リスク予測」という分野について、今回の研究と従来の研究との最も大きな違いはどのような点でしょうか? (小野田先生)発症リスクを予測する研究は以前から行われていましたが、これは生活習慣や遺伝的な要因、認知機能の結果や脳萎縮の程度などに基づいて、一定期間内に「発症するタイプ」か否かを推定するものでした。例えば、3年以内にアルツハイマー病になるグループとならないグループをどのぐらい高い精度で識別できるかということを競っていたわけです。従来の研究と我々のアプローチの最も大きな違いは、発症「する」「しない」の2択ではなく、「個人レベル」で「発症時期」を経過年数ごとに推定できたという点です。発症推定の精度は83.5%に達しました。これは、高齢者をランダムに二人選んだとき、どちらの方が先にアルツハイマー病を発症するかを83.5%の確率で当てることができることを示しています。 AIによる深層生存分析とは? 深層生存分析における各領域の寄与率。黄色ほど予測に貢献していることを示す。 深層学習×生存分析 (編集部)それでは、個人の発症確率を経過年数ごとに予測する手法とは具体的にどのようなものですか? (小野田先生)同研究のポイントは、集められた2000例以上のデータを「深層生存分析」と呼ばれる手法で解析したこと。生存分析は、死亡や発症が起こるまでの時間を検討する解析です。何年後にどの程度の患者さんが亡くなっているかや発症しているか、あるいは、グループによってその死亡率や発症率の推移が異なるかを検証できます。この生存分析を深層学習(※2)によって、行ったのが今回の研究です。これによりアルツハイマー病の発症確率の推移、つまり経過年ごとの発症確率を個人レベルで評価できるようになりました。 (※2)コンピューターによる機械学習の手法の一つ。人間の脳神経回路を模した多層的なニューラルネットワークを介して、コンピューターが自動的にデータに含まれる潜在的な特徴をとらえ、より正確かつ効率的に解析などを実現させる技術や手法。 “宝の山”をどう生かすか (編集部)「計2142 例を解析対象」としたとありますが、医療分野からデータサイエンス(※3)にアプローチする意義とは何でしょうか。 (小野田先生)今回の解析対象となった症例は、北米の「アルツハイマー病大規模臨床観察研究ADNI(※4)」や、オーストラリアや日本の同様のプロジェクト、国内の臨床施設において収集された健常者、軽度認知障害の方(認知症の前段階)のデータを使用しています。2000例というデータ量は、データの蓄積が難しいアルツハイマー病のデータ量としては少なくありません。 医学の領域における症例や画像のデータは膨大です。ただ、この“宝の山”ともいえるデータの価値を理解し、活用するには専門知識が必要であり、学問の垣根を超えたデータサイエンスの活用が重要だと感じています。 また、研究の再現性が向上するというメリットもあります。というのも、どれほど画期的な研究も、違う施設・研究者が同様の手法・手順で行った場合に結果が大きく異なれば、信頼性に欠けるからです。公開されている大規模なデータセットを用いることで、多くの研究者が新たな知見や研究手法を検証することが容易くなり、研究をより迅速に進めることができます。 (※3)蓄積されたビッグデータをコンピューターで分析し、企業のマーケティングや商品開発といった企業課題や社会課題の解決に活用すること。(※4)Alzheimer&#8217;s Disease Neuroimaging Initiativeの略。アルツハイマー病の発症予測や治療薬の効果判定法の確立を目的とした臨床研究として2005年に米国で設立。欧州・オーストラリア・日本でも行われている。 アルツハイマー病研究の課題と展望 (写真:PIXTA) 現場での活用には課題も (編集部)今回の成果を振り返って、現時点で感じておられる課題はありますか? (小野田先生)レビー小体型や脳血管性型など、アルツハイマー型以外の研究も進める必要はあるでしょう。しかし、現時点での一番の課題は、現場のドクターにとっては活用しづらいとうこと。残念ながら、発症時期を予測できたとしても直接的に病気の治療ができるわけではないので、患者さんに伝えるリスクは高いでしょう。今後も、治療薬の開発が引き続き求められます。 患者・家族の心の準備に (編集部)アルツハイマー病については、さまざまな側面から改善可能な因子について研究が進められていますが、今回の成果は今後どのように生かされると考えられますか? (小野田先生)先ほどお話したように、直接的な治療法や予防法に現時点で結びつけることはできませんが、一方で、脳ドックを受ける人のなかには、治療できなかったとしても自分の発症リスクを知りたいという思いがある方もおられます。そうした潜在的ニーズには、応えられるのではないでしょうか。 認知症を発症すると、患者さんのご家族にとっても環境の整備や心の準備が必要となります。そうしたご家族のサポートに役立てるという点も大切です。現時点で可能な活用を進めながら、将来治療法や予防法が確立された時にいかに介入するかが、今後のテーマだと考えています。 まとめ 超高齢化社会において急増する認知症は、もはや人ごとではありません。現時点では、医療現場での活用が難しいといわれていますが、新たな着眼点と解析技術の進歩によって得られた今回の成果は、治療への第一歩として希望を感じさせてくれるものになったのではないでしょうか。 この記事をシェアする! プロフィール 小野田 慶一 (おのだ けいいち) 追手門学院大学 心理学部 心理学科 教授 博士(学術)専門:fMRI、脳機能ネットワーク 2002年 広島大学大学院 生物圏科学研究科 修士課程修了 2005年~ 広島大学 医学部精神科 研究員 2009年〜 島根大学 医学部神経内科 助教 2013年~ 島根大学 医学部神経内科 講師 2020年~ 追手門学院大学 心理学部 心理学科 教授 研究略歴・著書・論文等詳しくはこちら 取材などのお問い合わせ先 追手門学院 広報課電話:072-641-9590メール:[email protected] 追手門学院大学HPへ HOME > こころとからだ > アルツハイマー病発症時期予測を実現。AIで導く治療への第一歩 関連記事こちらの記事もおすすめです! 2023.11.22 こころとからだ 始まりは「あっ、そうか!」教育心理学者と考える子どものやる気の高め方 OTEMON VIEW編集部 心理学部 豊田 弘司 2022.08.31 こころとからだ ロボットはともだち!日本のロボット観がロボットセラピーの未来を描く!? 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