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ホームイベントBBLセミナー2019年度 女性への医大・医学部受験差別と男女職業分離の日韓比較からみえてきた日本における人材活用の不合理性について 印刷 開催日 2019年12月17日 スピーカー 山口 一男(RIETI客員研究員 / シカゴ大学ラルフ・ルイス記念特別社会学教授) モデレータ 関 日路美(経済産業省経済産業政策局経済社会政策室室長補佐(女性活躍推進担当)) ダウンロード/関連リンク プレゼンテーション資料 [PDF:2.2MB] 開催案内/講演概要 本セミナーの講師を務める山口一男RIETI客員研究員は、著書『働き方の男女不平等―理論と実証分析』(2017)において、男女の職業分離、特に経営・管理職と高度な専門職における女性の不活用が、日本の女性人材活躍の遅れをもたらし、日本の男女賃金格差が他国と比べて大きい要因となっていることを明らかにした。その後、2018年には、東京医科大学を皮切りに日本の複数の大学の医学部入試において女性差別が行われていることが問題化。山口氏は入試での女性差別の実態を分析するとともに、男女の職業分離と賃金格差の日韓比較を行った結果、日本における人材活用の非合理性について新たな知見を得た。セミナーでは、山口氏がこれら一連の分析結果を紹介するとともに、日本における女性活躍を推進するための鍵について言及した。 議事録 男女の職業分離を分析 日本の女性人材の活用は遅々として進んでおらず、日本は人材活用において後進国になってしまっています。ちょうど本日(12月17日)世界経済会議(WEF)から発表されたジェンダー・ギャップ指数では、日本は153カ国中121位と非常に低く、男女賃金格差は経済協力開発機構(OECD)加盟諸国の中でも高い状況です。 高度な専門職に就いている女性の割合は、日本が一貫してOECD諸国内で最下位、韓国が一貫して下から2番目です。一方、高度な専門職における女性割合の順位が高い国は一貫しておらず、専門職の種類によって順位が異なります。なぜ日本で高度な専門職への女性登用が進まないのかを明らかにするためには、より広く男女の職業分離について分析する必要があります。 日米韓3国で比べると、日本は韓国や米国よりも男女の職業分離度が大きく、専門職の男女分離度が最も大きいのも日本、最も小さいのは米国です。経営・管理職とタイプ1型専門職(非ヒューマンサービス系の専門職と医師・大学教員)の女性割合は特に日本と韓国で小さく、タイプ2型専門職(医師・大学教員を除くヒューマンサービス系の専門職)と事務職の女性割合は3国共通して大きい傾向が見られます。 賃金を分析すると、日本の就業女性は二重にハンディキャップを負っていることが分かります。1つは、賃金の高い2職種(経営・管理職、タイプ1型専門職)に女性の割合が極端に少ないことです。 もう1つは、女性割合の大きい2種のホワイトカラー職(タイプ2型専門職、事務職)内で男女の賃金格差が大きく、タイプ2型専門職と事務職の女性の賃金は、人的資本の変数(学歴、年齢、勤続年数)や正規雇用・非正規雇用の区別を制御した場合でも、ブルーカラー職を含む男性のどんな職業の賃金よりも低いという異常な状態にあることです。女性のホワイトカラーは大卒が増えて、特に事務職とタイプ2型専門職が増えているのですが、それらの職種の賃金が男性のブルーカラーの賃金よりも安いことを考えると、男女賃金格差の減少にはなかなかつながらないと思います。 一方、韓国女性は日本女性とはやや異なるハンディキャップを負っています。韓国では男女の職業分離よりも同一職業分類内での男女賃金格差が大きいのです。この格差は特にブルーカラー職で顕著です。また、日本とは異なり、タイプ2型の専門職内での賃金格差は小さくなっています。これはタイプ2型専門職の賃金が性別にかかわらず低いことに起因しています。 米国の社会学者でスタンフォード大学教授のポーラ・イングランドは、女性の職業について低価格化理論(devaluation theory)を唱えています。女性が就くヒューマンサービス系の職業は、教育に対するリターンが非常に少なく、低く評価されているというものです。米韓にはこの理論が当てはまるのですが、日本には当てはまりません。日本ではタイプ2型であっても、男性であればなぜか教育に対するリターンは高く、女性は非常に低くなっているのです。 米国では、男女の職業分離による賃金格差のほうが職業内賃金格差よりも大きいのですが、それは比較的賃金の高い熟練作業職に男性が多いことが一因となっています。韓国にもそのパターンが見られます。日本にも見られますが、韓国の方がより顕著です。その点で韓国と米国は似ています。また、女性が多いタイプ2型専門職でも、学歴を制御した場合は男女ともに賃金が低い点では韓国と米国は似ています。それに比べて、日本と米国の男女賃金格差の原因には類似点が少ないと考えられます。 人的資本の問題に話を移すと、大学進学率はOECD諸国のほとんどで女性が男性を上回っていますが、トルコと日本だけが相変わらず女性が男性より低い状況であり、教育は相変わらず男女格差が付いています。 人的資本の男女平等化のパラドックス しかし将来、女性と男性の学歴が同等になっても、専門職における男女の平等化が進むわけではありません。なぜなら、大卒者が増えても、流れ込んでいく先はタイプ2型専門職と事務職で、この2職種の賃金格差はなかなか改善が進まないからです。 これが人的資本の男女平等化のパラドックスです。女性が男性と同等になるためにはいろいろな手法があるのですが、ここで示すのはディナード・フォーティン・レミュー法(DFL法)です。この方法で女性の学歴、年齢、勤続年数という3つの人的資本属性の分布を男性と同じにして分析します。 すると、男女の学歴差が縮まった1995~2005年の変化と同様、男女の人的資本が同等になるという仮想状況でも男女の職業分離度がかえって増加するのがわかりました。つまり、男女の教育の平等化が進むと職業分離度が更に大きくなるのです。何かが平等になれば他の結果も平等になるのが当然の期待なのですが、それが起こっていません。 これは、女性の人的資本が男性と同等化しても、既に女性就業者が多いタイプ2型専門職に就く女性の増加度合いが、女性の少ない経営・管理職やタイプ1型専門職に就く女性の増加度合いを大きく上回るからです。教育と職業のマッチングの仕方が男女別に今までと変わらないと仮定すると、大卒者の割合が仮に男性と同じになっても、女性大卒者は賃金の低いタイプ2型にどんどん流れ込んで、なかなか経営・管理職やタイプ1型にはなりません。その結果、男女賃金格差は、男女の人的資本が同等化しても、ほんの少ししか減少しないのです。 これを日韓で比較すると、男女の職業分離は人的資本の男女の平等化にもかかわらず日韓ともに増大し、また男女賃金格差の減少も日韓ともにあまり期待できません。一方で、男女の職業分離度は日本が韓国より大きいけれども、男女賃金格差は韓国の方が大きくなっています。韓国では、同じ職業分類内の賃金格差が特にブルーカラーにおいて非常に大きいからです。そういう日韓の違いがあります。 日韓比較の結論としてはまず、女性が「女性向き」と男性から見なされる職業以外の職業、特に経営・管理職と高度な専門技術職から締め出されている傾向は特に日本が顕著で、韓国も米国に比べると相当あります。つまり、女性の職業のステレオタイプ化が日本では顕著です。 そして、同一職種内で、特に女性が恒常的に長時間労働できないことを理由に、女性を男性より低い賃金にしたり昇進させなかったりする傾向は、韓国が最も顕著で、日本でも相当ありますが、米国では少ないです。つまり、女性に対する統計的差別が日韓では顕著です。ただし、女性労働の非正規化は日本の方が韓国より大きいので、女性の統計的差別はより間接差別化しています。非正規労働者は、韓国では女性45%・男性35%ですが、日本は女性50%以上・男性15%と男女の開きが大きいのです。 韓国は最近、労働時間を最大週52時間にすることを法制化したので、今後の変化が注目されます。非常に望ましい法ではあるのですが、果たしてこうした外からの介入で企業がうまく自分たちの体質を改善できるのか、あるいは意図せざる結果になってしまうのかはまだ分かりません。そうした新制度の中で企業自体が適応していく道筋が見えないと、意図せざるネガティブな結果になる可能性もあります。 医大・医学部受験差別に見られる女性差別の問題 もう1つの知見として、医大・医学部入試における女性差別の問題に触れます。東京医科大学は、女性受験者の得点を80%に減点し、女性合格者を減らしていました。順天堂大学は、入学試験で男女別に合格点を定め、男性の合格点を低く設定することで合格者の女性割合を調整していました。このように方法は異なるけれども、各大学が「悪知恵」を働かせて女性受験者を差別していました。なぜこのようなことが起こったのでしょうか。 1つ目に、女性医師の離職率が高いという詭弁があります。しかし、女性医師の就業率は83.9%であり、男性医師の90.9%と比較しても違いはわずかです。女性医師割合が低いのは、女性有資格者の医師就業率が低いからではなく、女性の医師国家試験合格率が低いからでもなく、国家試験受験者の女性割合が低いからです。これは、女性の医大・医学部受験者数が2000年以降は増えているにもかかわらず、女性入学者の割合が頭打ちになっているためです。入試における女性差別が多くの医大・医学部で行われた可能性が高いと見られます。 2つ目に、男性医師の方が長時間働くから男性重視は仕方がないという詭弁もあります。米国の学者アーリー・ホックシールドは、「働く女性にはセカンド・シフトがある」と言っています。男性は職場の仕事が終わればそれで仕事は終わりですが、ワーキングマザーは家に帰ると家事・育児という第2の仕事が待っています。 現代日本でも、勤務時間に家事育児時間を加えると女性の労働時間の方が長くなります。家事育児を妻にほぼ任せっ放しにしている男性医師が、仕事と家事育児を両立している女性医師より優遇されるべきだというのは女性差別そのものです。医学部・医大における女性差別の根底には、男性が家事育児をしないという夫婦の伝統的分業と、長時間労働が前提の日本の仕事組織の問題があります。ホックシールドは、既婚女性の経済活動の推進には、家庭内の役割の男女平等化革命が必須であると言っています。 3つ目に、女性医師のパフォーマンスが劣るという詭弁があります。これも偏見です。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の津川友介助教授らは、女性医師に診てもらった患者の方が死亡率も再入院率も低いという研究成果を示し、注目を浴びました。また、男性医師が医療過誤で患者から訴えられる率は女性医師の約3倍という米国医学雑誌の研究報告もあります。そうした観点から、女性のパフォーマンスの方が高いと考えられます。 しかし、日本では何時間働けるかでパフォーマンスを見ます。果たしてそういう尺度は合理的なのでしょうか。私個人は、治癒率や患者の満足度などの方がパフォーマンスとしては非常に重要だと考えます。 本来評価されるべき医療行為の質とは異なる、就業時間という基準での判断で女性が劣るという日本での議論には、合理性も正当性も全くありません。就業時間でホワイトカラー雇用者を評価するのは日本企業一般に見られる不合理な傾向で、これは女性の活躍を阻んでいるばかりか、日本のホワイトカラーの労働生産性が低い一因にもなっていると思います。 医学部の女性割合はなぜ小さいのか では、日本において医学部の女性割合がなぜ小さいのかということに問題を移してみましょう。2016~2018年のデータから、全国における医学部学生の男女割合の差が生じる要因を要素分解してみました。すると、人口の差が7.9%、大学進学率の差が22.0%、医学部合格率の差が25.0%でした。最後の数値を受験における女性差別の結果とみると無視できない大きさです。 しかし注目すべきは、大学進学者中の医学部受験割合の男女差が45.1%に上ることです。つまり、大学には進学するけれども医学部は受けない人の割合の差です。米国では、医学部の応募者はむしろ女性の方が上回っています。医学は女性でも非常に高度な収入を得られ、非常に活躍できると思われる分野なのです。しかし、日本では医学部合格率の差以上に、女子学生が医学部を受験しない傾向によって差が生じているのです。 また英米において有名大学の学生の女性割合はほぼ50%ですが、日本の東大や京大は20%前後です。しかし、東大や京大は「自分たちは差別していない」と言います。なぜなら、応募者の女性割合もやはり20%程度だからです。ということは、医学部も同様ですが、一流大学に女性が応募していないことになります。 難関大学や医学部などの受験生に女性が少ないのは、大学応募以前の教育の在り方に問題があると考えられます。特に初等・中等教育においてリーダー(校長・教頭)が他のOECD諸国では女性が5割を超える国が多いのに対し、日本は女性割合がわずか7%で男性に著しく偏り、男女の機会平等に配慮した教育が行われていません。それから、女性差別は基本的人権の侵害という教育を行っていません。 性別にかかわらず職業キャリアは重要という視点からの進学指導も欠けています。特に大学が単なる就職への橋渡し機関となり、男性に比べて就業率の低い女性が大学進学において軽視される傾向があります。また、生徒会や男女合同の部活動などで、リーダーは男性、補佐は女性という刷り込みを行うことが多いです。これに関しては、かえって女子だけの高校の方が理学部に応募する傾向が大きいという報告もあります。 また、日本の大学は極端に年齢の多様性が低くなっています。これは新卒者の長期雇用を重視する日本企業の在り方に合わせて大学の在り方が定まってしまったからであり、社会に出てから再教育を受ける人が軽視されている実態があります。 日本の男女不平等問題 日本では医師にかかわらず、高度な専門職や経営・管理職の登用に男女の機会の平等がなく、女性が少なからず排除されています。また、女性がそれらの職を得るには、女性の職業のステレオタイプ化、統計的差別(管理職昇進を男性優先にしたり、能力の高い女性に単純労働しかさせなかったりすること)、長時間労働者の重視や在宅勤務・フレックスタイム勤務など柔軟な働き方の欠如、就職活動や職場でのセクハラの横行といったさまざまな障害があります。女性はこうしたストレスで心理的に消耗してしまうのです。このように、自分の実力を発揮できないコストは非常に大きいと思います。 教育・学校の問題としては、大学受験以前に、高度な専門職や経営・管理職を目指すために、難易度の高い大学や就職上有利な学部・学科(医学、経済・経営学、STEM:Science、Technology、Engineering、Mathematics)を志望する意欲を女性から奪いやすいことが挙げられます。これらの理由によって、潜在的には多様な女性の才能が経済活動で発揮されずにいます。欧米に比べて日本経済は、人材活用面で片翼飛行をしている状態なのです。 なぜ日本企業は変わらないのかというと、理由の1つは、女性を活用しないことで発生するコスト(機会費用)は見えにくい一方で、いったん登用した女性が辞めてしまうことで発生するコストは見えやすく、それが過大評価されることです。ですから、いろいろな分析を通じて、女性が活躍している企業は生産性も高まるし、男女賃金格差も減っている、という事例が見えるようになることが必要であると考えています。 質疑応答 Q: 日本で女性が活躍していない要因の1つに、教育や文化、価値観のようなものが由来している部分が大きいと思いますが、経済産業省にできることがもしあれば教えていただきたいと思います。 A: まず、日本の縦割り行政のようなものを是正する必要があると思います。以前、女性活躍推進に関心のある中堅官僚たちが集まったりしていたことがあったので、そういった横のつながりを強めて、共有意識を高めることも必要かと思います。 また経済産業省が『ダイバーシティ経営企業100選』や『なでしこ銘柄』などの取り組みで、女性活躍推進企業を応援してきたことは高く評価できますが、問題は今までに女性活躍を進めてきてそのメリットが分かってきた企業はこれからもどんどん進めていくと思うのですが、それが少数にとどまっていることです。今後は大多数の残りの企業に対してどうするかという問題を考えていかなければならないと思います。 Q: 大学前の教育の効果によって女性が社会で活躍しづらい状況がある一方で、女性のベンチャー経営者が多く出てきている動きはどういうふうに見たらいいのでしょうか。 A: 日本で昔から起業が少ないのは、やはりベンチャーキャピタルが育たないからです。米国はベンチャーキャピタルがものすごく多いので、リスクを冒さないでどんどん起業できます。投資家たちがリスクを伴って投資をするような形にどう持っていけばいいのかが課題だと思います。そのためには投資される魅力のある企業をどう増やしていくかがキーになるでしょう。その中で女性の活躍は十分にあると思います。大きな組織と違ってジェンダーがあまりハンディキャップになっていないかもしれません。 Q: タイプ2の専門職は各国男女ともに相対的に賃金が低いですが、日本の場合は女性だけが低いのはなぜですか。 A: やはり職階が大きく異なることが1つの要因です。男女賃金格差は勤続年数と学歴、年齢はコントロールしても大きく残るのですが、その残りの差は職階で説明できる部分がかなりあります。日本企業では男性の方が昇進で優先され、その影響が強いです。 Q: 日本のジェンダーの平等化を進めるために、法制面でこれから取り組める部分が非常に大きいと感じているのですが、先生のご意見を伺いたいと思います。 A: 男女平等が進まない理由の1つは、日本の働き方の自由度が非常に少ないことが挙げられます。自由度が少ないと、いろいろな意味でイノベーティブな仕事ができなくなり、組織の中で生きるしかなくなってしまいます。やはりイノベーティブな環境をつくるには、労働の流動性が高まらなければいけないでしょう。 流動性がないということは、ひどい職場環境でもなかなか辞められないからで、その中で人権侵害も起こりやすくなります。日本に600万あるといわれる中小企業には、ブラック企業化の問題がかなりあります。昔は大企業の方が女性差別は大きいといわれていたのですが、今は大企業の方が小さくなりつつあるというのが私の実感です。 最終的には流動化を進める中で、労働市場全体として雇用をどう保障するかという問題も併せて考えるべきです。単に流動化を進めるだけでは失業が増えてしまいます。デンマークのフレキシキュリティ(フレキシビリティとセキュリティを合わせた造語)の日本版をつくるにはどうしたらいいかを考えなければなりません。中途採用者を雇用してうまくいく事例がどんどん増えないと、生え抜きを重視するという日本企業の体質ではなかなか変わらないわけです。 帝人株式会社は、再雇用制度や配偶者海外転勤時の休職制度を導入しています。中途採用の管理職を募ると、育児退職をした女性たちに非常に有能な方が多いことがわかり、女性の管理職が多くなりました。現在もその人たちが非常によく活躍していると聞きます。これは単なる一例にすぎないのですが、このように流動化を進めると同時に、多くの埋もれている有能な人たちへの再雇用機会を大きく広げ、その人たちが自分の才能を発揮できるような社会や職場環境を作らなければ、日本の社会はイノベーションが進まないのではないかと思います。単に多様性の重視を建前で尊重しているだけでは難しいと思います。 この議事録はRIETI編集部の責任でまとめたものです。 イベント シンポジウム ワークショップ BBLセミナー 2024年度 2023年度 2022年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度 2012年度 2011年度 2010年度 2009年度 2008年度 2007年度 2006年度 2005年度 2004年度 2003年度 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