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ホームイベントシンポジウム RIETIブロックチェーンシンポジウム ネクスト・ブロックチェーン:次世代産業創成のエコシステム(議事概要) 印刷 開催案内 配付資料・動画配信 議事概要 イベント概要 日時:2019年10月7日(月)13:00-16:00(受付開始12:30) 会場:日経ホール(東京都千代田区大手町1-3-7 日経ビル) 主催:独立行政法人経済産業研究所(RIETI) Facebookが主導する仮想通貨「Libra」の登場は、ブロックチェーンによる今後の大きな社会変動を予感させる。ブロックチェーンとは、書き換えのできない台帳にデータを記録し、データを安全かつ確実に取引することを可能にする技術である。金融分野のみならず、健康データなど、ビジネスに関連するさまざまなデータの取引を可能とし、新産業を育成する「インフラ」としてインターネットを超えるインパクトを社会に与えるといわれる一方で、民間企業が個人のデータを囲い込むようになるなど、各国の金融政策を阻害する可能性も危惧されている。本シンポジウムでは、次世代産業育成システムとしてのブロックチェーンの在り方を議論した。 議事概要 開会挨拶 中島 厚志(RIETI理事長) 現在、第4次産業革命がいわれ、AIやビッグデータの活用が進んでいます。その中で、ビジネスに関連するさまざまなデータの取引を可能とし、新産業を育成するインフラとしてのブロックチェーン技術も進化・応用されているのはご案内の通りです。RIETIは、ブロックチェーン技術がもたらす可能性や課題などについての研究を進め、今般、研究の成果を書籍『ネクスト・ブロックチェーン 次世代産業創成のエコシステム』として出版しました。 本シンポジウムでは、RIETIでブロックチェーン研究会を主催した矢野誠所長による研究成果の解説に加え、ブロックチェーン技術をリードするフォーゲルステラー氏による講演、各分野のトップレベルのパネリストの先生方によるパネルディスカッションを通して、次世代産業育成システムとしてのブロックチェーンの在り方を議論してまいります。ブロックチェーンに関連する有益な知見をお伝えできる貴重な機会になると確信しております。 来賓挨拶 平井 卓也(前IT・科学技術担当大臣) 皆さん、こんにちは。前IT・科学技術担当大臣の平井卓也でございます。今日はRIETI主催のブロックチェーンのシンポジウムにお招きいただきましてありがとうございます。 先月、私が大臣を退任するときの記者会見でも、IT担当大臣というのはもはや時代の要請に応えられないだろう、もっと広くデジタル化全て、つまりデジタル化の恩恵を全ての国民に届けられるような政策を全体的に所管する大臣が必要だろうということを申し上げました。その意味で、私は2000年初当選ですが、2001年にIT基本法が政府の法案として成立して以来、IT政策にずっと関わってきた中で、2014年にサイバーセキュリティ基本法という議員立法を行いました。そして、4年前に官民データ活用推進基本法を私が主導してつくりました。そして先の国会で、これは政府提出の法案ですが、デジタル手続法案を成立させることができました。しかし、いろいろな法の手当てをしても、日本はなぜかデジタル化というものに対してスピード感がない。それが1つの反省です。 その中でやはりこれから意識していかなければいけないのは、われわれが当初取り組んでいたのはデジタル化といってもデジタイゼーションであり、世の中を大きく変えているのは、デジタライゼーションであり、デジタルトランスフォーメーションであるということだと思います。アナログのテレビがデジタルに変わっただけでデジタル化だとわれわれは認識していた時代があると思うのですが、実はそうではなく、根本的なビジネスモデルを転換するチャンスを生かせるか、生かせないかがデジタル化の一番重要な点だと思います。 そこで、今日は、暗号資産、ブロックチェーンに関するシンポジウムということですが、Facebookによって開発されたLibraがファイナンシャル・インクルージョンというものを掲げて世に出てきて、また少しその全体像が変わってきたようにも思います。これからブロックチェーン技術の恩恵を社会がまっとうに享受できるようにしていかなければいけないということは間違いありません。われわれも今まで暗号資産法(資金決済法)や金融商品取引法の改正等によって、必要な法整備は行ってきています。特に後者の金融商品取引法の改正によって、セキュリティ・トークン・オファリング(STO)が2020年から金融商品として社会実装されることは間違いありません。 そこで私から関係者の皆さんに提案とお願いです。私はIT・科学技術担当大臣として、新しい政策をつくりました。それはスタートアップエコシステムの拠点をつくるというものです。これはすでに予算化されて、2020年の1月から全国の都市に公募をかけます。日本はどうしてもスタートアップが分散しているので、もっと拠点性をつくって、そこでスピード感を上げていきたいと考える中で、実はこのSTOというのは、スタートアップにとって、例えばシードマネー、例えばギャップファンド、このどちらにも有用な手段になる可能性があると私は考えています。ですから、これから関係者がいろいろな制度設計をなさると思いますが、ぜひそういうものも視野に入れていただければと思っています。 世の中はこれからどんどん変わっていきますが、日本という国はもうすぐ人口の5割が50歳以上という、今まで世界に存在しなかった人口構成を持つ社会に直面します。いろいろな問題が顕在化してくることは間違いありませんが、それを前向きなイノベーションで乗り切っていくことが、われわれ日本の使命だと考えていて、そのことが実現できれば、後々日本と同じ問題に直面する国々にとっても大きなメリットをお渡しできるのではないか。 そこで、今日は海外からも素晴らしい講師に来ていただいております。日本の改革というのは、日本人の手だけではもうできません。世界の企業や研究者や全ての皆さんの知恵と、素晴らしい研究成果と、そして力をお借りした上で、一緒になってそういう問題に取り組んでいけるような時代にしなければならないと思っています。その意味でこれから海外の方々と連携しながら、次の時代を見つめて、いろいろな方々が前に動いていけるような環境整備を一生懸命つくっていくことをまずはお誓い申し上げたいと思います。 今日、この後、戻りまして、自由民主党のIT戦略特命委員会という、私が2000年からずっとその中で活動していた委員会を改組することを、今日の2時からの記者会見で記者発表いたします。IT戦略特命委員会を廃止し、デジタル社会推進特別委員会というものに改組した上で、その下にサイバーセキュリティやフィンテック、シェアリングエコノミー、マイナンバー制度といったものを分科会的に置いて、最後の記者会見で言ったように、デジタルトランスフォーメーション全体を見渡した上で間違いのない政策を進められるような体制を与党としてやっていきたいと思います。 今日は時宜を得た素晴らしいシンポジウムですので、大いにいろいろな議論をした上でその成果を一刻も早く社会に実装していただきたい。またそのお手伝いもさせていただきたいと思います。シンポジウムが素晴らしいものになることをお祈り申し上げまして、私の挨拶を終わります。ご清聴ありがとうございました。 来賓挨拶 西山 圭太(経済産業省商務情報政策局長 / RIETIコンサルティングフェロー) 現在、日本においても世界においても、社会の在り方そのものが非常に大きく変化しようとしています。その根源には、AIや量子コンピューター、ブロックチェーンといったエマージングテクノロジーの登場によって、社会の制度そのものが変わろうとしていると思われます。 その一例として、従来の社会の規制の仕組みにおいては、システムの健全性を担保するために、目視などによる有資格者の定期的な判断が求められてきました。しかし、技術の発展によって、データを瞬時に取得・解析することが可能となり、人を介さずにシステムそのものを改善できるようになっています。このように従来の規制が想定していなかった技術の発達により、規制のすべてが変わるのではないかと考えており、われわれはその行き先の姿をSociety 5.0と表現しています。 技術の発展により、社会が抜本的に変わってしまうのではないかという考えは、電気の普及によって自動化が進んだ20世紀初めにもありました。また、今の人工知能の時代とも重なりますが、ゲーデルの不完全性定理やチューリングの計算可能性理論に代表されるように「あらゆるものが計算可能になるのか」ということが盛んに議論されました。議論での1つの大きなポイントは、中央集権的な社会になるのか、分権的な社会になるのかという、有名なランゲとハイエクの論争でした。現代は20世紀前半に議論されたことがよりリアリティを持って回帰してきており、新しい技術を前提に、われわれは次の社会をどう構想するか問われています。 次の社会をどのようにイメージするか、実際の政策や企業のビジネスをどう構築するかということを国際的に議論する場として、このRIETI以上にふさわしい場はないと思いますので、本シンポジウムをきっかけに議論が発展することを祈念いたします。 来賓挨拶 平野 洋一郎(一般社団法人ブロックチェーン推進協会代表理事) 香港での政治と市民の衝突、英国でのEU離脱を巡っての衝突など、今、国という枠組みがさまざまな衝突の原因となっています。ブロックチェーンの発祥となったビットコインには、通貨でありながら国という概念がありません。本日、ネクスト・ブロックチェーンについて考えることは、次世代の産業だけでなく、次世代の国家の在り方という議論にもつながっていくことでしょう。 現在、ブロックチェーンを、ブロックチェーン=仮想通貨ととらえて、過小評価している人たちが少なくありません。1990年代半ば、インターネットは「こんなもの使えない」と鼻で笑われることも多かったですが、今や人類にとってもなくてはならないものになりました。ブロックチェーンも今の姿だけで評価するのは大きな誤りです。なぜなら、ブロックチェーンにもインターネットと同じようにいくつもの「ネクスト」があるからです。 この大きなテーマに取り組まれ、本日のイベントを実現されたRIETIの皆さまに大いに敬意を表します。また、ブロックチェーンの適用を仮想通貨以外にも広げて行こうと積極的な活動をされております経済産業省の皆さまに大いに期待しております。 基調講演1 矢野 誠(RIETI所長,CRO) デジタルデータ:第三の生産要素 デジタルデータが大きな注目を浴びています。デジタルデータは労働と資本に次ぐ第三の生産要素になるのではないか、またGoogleやAmazon、Facebookなどの企業価値は、保有しているデータの産業的価値を反映しているのではないかと捉えられているからです。私どもは、ブロックチェーンが第三の生産要素であるデジタルデータの効率的かつ公正な利用を可能にすると期待しています。ブロックチェーンについて考えてみたいと思う大きな理由は、データの独占や悪用が行われる中で、『エコノミスト』誌や欧米の新聞に「どうやってデータタイタン(巨人)をなだめるべきか」という記事が出ており、データタイタンをなだめるための1つの技術としてブロックチェーンがあると考えているからです。 ブロックチェーンとは何か ブロックチェーンを簡単に説明すると、「デジタル台帳」となります。台帳とは絶対に改ざんできない帳面のことです。それをデジタルな世界でつくっていくというのがブロックチェーンの基本的なポイントです。その管理をアルゴリズムに基づいて大幅に節約したのがブロックチェーンです。証券、銀行預金などは全て記録にすぎません。それが価値を持っているのは誰にも改ざんできないからです。ただ、そのようなデータには、巨額の記録管理費用がかかるという問題があります。 今、ブロックチェーンに期待されているのは、分権的にデータを管理する方法をつくることで、大幅に費用を削減しながら、大きなデータを世界の中で統合的に使うことができるようにすることです。第5期科学技術基本計画では、フィジカル空間とサイバー空間の統合が推進されています。それによって快適で活力があり、質の高い生活ができると書かれていますが、「データタイタン」についての記事からも分かるように、必ずしもそうとは限りません。そこで、それを実現していくための技術として期待されるのがブロックチェーンです。新しいデジタルな世界を、われわれのより良い生活につなげていくために、技術的側面からブロックチェーンが大きな期待を持たれているのだと私は理解しています。 次世代産業を支えるエコシステム そのためには、単純に技術、社会制度、投資があればいいわけでなく、全体を支えるようなエコシステムが必要になります。データを効率的かつ公正に利用するとしたら、データをうまく所有する方法、それを取引する方法、それを支える制度も必要でしょう。また、そのような全体を通じたエコシステムを理解している人々も必要です。 本日は、新しい技術とその産業化とはどういうものなのか、次に産業化を支えるためにどのようなエコシステムが必要なのか、これからのブロックチェーンと共に切り開かれていくデジタルデータの世界の姿はどのようなものかを議論していければと思います。 基調講演2 ファビアン・フォーゲルステラー(LUKSO創業者・設計チーフ / イーサリアム開発者・ERC20製作者) イーサリアムの登場 ブロックチェーンというと、皆さんビットコインは聞いたことがあるでしょう。ビットコインは2009年に始まり、これによって仲介者なしに、世界で価値のやりとりができるようになりました。2015年、イーサリアムの登場によって、ブロックチェーンの技術が向上しました。価値を交換するだけでなく、スマートコントラクトのプログラムを走らせることができるようになりました。イーサリアムあるいはスマートコントラクトが可能にするのは、composability(構成可能性)です。Composabilityがあれば、誰もがオープンな経済インフラの中で構成要素をつくり、相互に関係させることができます。ブロックチェーンの開発者の86%がイーサリアムあるいはイーサリアム関連のテクノロジーを使っています。従って、イーサリアムは実質的にはもう標準的な規格であるといえるでしょう。 ブロックチェーンのインターネット では、1つのブロックチェーンだけで用が足りるのでしょうか。少なくとも近い将来においては、そのような状況にならないと思います。ブロックチェーンはscalability(拡張性)が不十分だからです。そこで私が提案したいのは、ブロックチェーンのインターネットという概念です。1つのブロックチェーンをひたすら拡大することを考えるのではなく、1つの共通プロトコルを共有するということです。今まで使われてきたEthereum Virtual Machine(EVM)、Ethereum Web Assembly(eWASM)などの共通プロトコルに近いです。今、ほとんどのスマートコントラクトがEVMで走っていますが、私はブロックチェーンのインターネットが今後数年以内に起こると思います。その際には、業界別、コミュニティ別に専用で使われるプロトコルができているでしょう。 また、多くの企業がプライベートブロックチェーンということを考えると思いますが、ブロックチェーンは、多様なプレーヤーが参加してこそ堅牢なものになります。やはり最も成功するのは、パブリックによって運営される、誰もが参加できるパブリックブロックチェーンでしょう。重要なのは、パブリックブロックチェーンで、決まった1つの運営団体がいない場合、仮想通貨が必要だということです。それがなければ、ブロックチェーンを安全に運営するインセンティブが生じないため、すぐにネットワークが機能しなくなるからです。 コミュニティ別のブロックチェーンのエコシステムがあれば、全てのステークホルダーにインセンティブが与えられます。共通のインフラがあれば、ネットワークのシェアをみんなに分散させることができるのです。ですので、新参者も長くそのシステムにいる者も、同じ形で成長を生み出すことができます。ブロックチェーンの運営方法は新しいもので、会社の経済運営というより国の経済運営に近い感覚だと思います。運営方法について、われわれがこれから学ぶべきことはまだ多くあります。 基調講演3 スティーブン・プー(Taraxa創業者・CEO) ブロックチェーンとIoTデバイス 現在、IoT(モノのインターネット)デバイスが、日常生活やビジネスでますます使われるようになっています。ブロックチェーンを使うと、IoTデバイスにIDを付与することができます。また、IoTデバイスは資産を所有することが可能になり、取引ができるようになります。 本日、前置きしておきたいのは、ブロックチェーンのような分権化システムができたからといって、中央集権的なシステムがなくなるわけではないということです。ブロックチェーンは、中央集権的システムの効率性と安全性を高めるものです。 ブロックチェーン技術で何ができるか ブロックチェーン技術が可能にするものの1つ目は、公正なビジネスモデルです。ブロックチェーンによってデバイスが信用できるようになることで、公正なビジネスモデルが可能になります。あるゲーム機リース会社は、各ゲーム機の売り上げが分からないという課題を抱えていました。そこでわれわれは、無線のモジュールをゲーム機の中に入れて、売り上げデータをクラウドに送るようにしました。さらに、データをブロックチェーンにアンカリングし、データが特定のゲーム機から生じたこと、データが改ざんされていないことが担保されるようにしたのです。これによって、ゲーム機のリース会社と借り手の間で信頼が構築されます。 2つ目は、オープンスタンダードを通じてコラボレーションを推進していくことです。ビジネスパートナーも多様化する中では、どのように情報をやりとりするかという問題が生じます。今の時代は、中央集権化モデルである企業資源計画(ERP)システムではそれに対応できません。そこで、オープンスタンダードを開発するという方法があります。サプライチェーンの中にいる企業は同じ問題を抱えています。各企業が自社のデータスタンダードをつくり、ブロックチェーンにアンカリングすることで、大きな問題を解決しやすい小さな問題に切り分けることができるのです。 3つ目は、データの民主化です。私たちは、自動車メーカーと協力して、モビリティデータの民主化を行っています。現在、中央集権化されたデータドリブンなビジネスモデルでうまくいっているものはたくさんありますが、規制の圧力もあり、データリークやセキュリティ違反に関する世論の反発もあります。そのようなビジネスモデルに依存している企業は、将来も成り立つビジネスモデルかどうかを見直すべきタイミングに来ていると思います。 4つ目は、競合他社間の協力です。例えば、日本では駐車場のオペレーターが多く、細分化されています。その状況を改善する方法として考えられるのが、駐車場にセンサーを導入し、駐車率等のデータをブロックチェーンにアンカリングすることです。これは中央集権化プラットフォームではないため、いつでも参加したりやめたりすることができます。従って、競合同士でも安全な方法で協力することができ、供給側、需要側双方にとってより良い環境がつくられます。 新しい技術と市場が生まれる中で、私たちはこれからも、ブロックチェーンで今ある問題を解決できる方法を模索していきたいと考えています。 パネルディスカッション:「IoTとデータマーケットプレイス」 パネリスト 加藤 整(トヨタ自動車コネクティッド先行開発部第1電子先行開発室第4グループ長) 岸本 吉生(中小企業基盤整備機構業務統括役) ファビアン・フォーゲルステラ―(LUKSO創業者・設計チーフ / イーサリアム開発者・ERC20製作者) スティーブン・プー(Taraxa創業者・CEO) 松島 倫明(『WIRED』日本版編集長) ウィリアム・メトカーフ(Curvegrid共同創業者) 矢野 誠(RIETI所長,CRO) モデレータ クリス・ダイ(LONGHASH Japan & RECIKA CEO) 問題提起 岸本 吉生(中小企業基盤整備機構業務統括役) 問題提起の1点目は、データマーケットをどうやってつくるかということです。データのオーナーシップを法的にどうするかという問題、ブロックチェーンでつくられるトークンあるいはクリプトカレンシーそのものをどこまで法規制するのかという問題、個人情報の取り扱いの規制の必要性についても議論される必要があります。しかし、規制がイノベーションを止めないよう、なるべくピアレビューに基づく安全あるいは信頼の確保が期待されます。 2点目は、自動車の問題です。自動走行やシェアリングの広まりを考えると、自動車はモバイル端末以上にさまざまな場所でさまざまなデータを集めるデバイスとして社会全体にさまざまな貢献ができます。幅広い応用が考えられる分野ではないかと思います。 3点目は、プロトコル層の充実です。ブロックチェーンのアルゴリズムは、3層に分けて考えることになります。一番上にあるのが暗号資産、二番目にあるのが暗号資産を利用する様々なアプリケーション、そして基盤となるのがプロトコル層です。イーサリアムが、今世界で一番使われているプロトコル層ですが、このイーサリアムの経験を踏まえて、これからいくつかのプロトコル層が切磋琢磨して充実していく過渡期にあると思います。プロトコル層が充実していく中で、取引の安全性と信頼性を、規制にゆだねることなく創意工夫で実現することが、政府を含めて、ブロックチェーン関係者全てに求められているとのではないかと思います。 最後は、日本についてです。ブロックチェーンに詳しい方がまだまだ少ないのが現状ですが、優秀な若いエンジニアがたくさんいる日本が、アルゴリズムやビジネスモデルの開発という観点、大きな質の高い「日本市場」という魅力の観点から、これからの日本への期待について意見が交わされることを希望しています。 ブロックチェーンに興味を持った理由 ダイ: まず、ブロックチェーンに関わることになった理由を紹介いただけますか。 松島: 私は『ブロックチェーン・レボリューション』という本に出合ったのがきっかけです。 加藤: ある自動車メーカーがブロックチェーンを活用した仮想通貨サービスを始めたことを知って、ブロックチェーンのコネクティッドサービスへの適用を意識し始めました。 メトカーフ: 分散型自律組織(DAO)が革命的だと思ったのが始まりです。それでこの業界で会社も立ち上げました。 プー: 人類の文明が次の段階に発展していくためには分権化が必要である、そして分権化を進めることができる技術はブロックチェーンしかないと考えたからです。 フォーゲルステラー: あるカナダの方が自宅をビットコインで売ろうとしていることを耳にして、面白いと思い、2013年にビットコインに関わりました。そして2014年にEthereum Foundationに入ることができました。 矢野: 私の息子が「リーグ・オブ・レジェンド」というコンピューターゲームにはまり、私も教えてもらうようになりました。そのゲームでは仮想通貨が使われており、ブロックチェーンとよく似た構造になっていて、そのゲームに関する本を書くためにブロックチェーンの勉強を始めました。 プレゼンテーション1 松島 倫明(『WIRED』日本版編集長) 私は2018年6月に『WIRED』日本版の編集長に就任してから、「ニューエコノミー」「デジタル・ウェルビーイング」「ミラーワールド」というテーマで雑誌を出しました。「ミラーワールド」とは、インターネット、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に続く、3つ目の巨大デジタルプラットフォームです。この世界の全てのものがデジタルツインを持ち、物理的な世界そのものがデジタル化されることで、ミラーワールドというプラットフォーム上で誰もが情報をやりとりできるようになります。仮想現実(VR)ではなく拡張現実(AR)、つまり今目にしている現実の上にさらに現実を重ねていくような世界がミラーワールドです。 その中で、建築家の豊田啓介さんが提唱しているのが「コモングラウンド」という思想です。これは、モノ(フィジカル)と情報(デジタル)が重なる共有基盤のことです。コモングラウンドをいかに持てるかということが、私たちがミラーワールドを建築していく上での最大の課題です。ここでどのような共通言語を持てるのかということに、今日のブロックチェーンの話も入ってくるのではないかと思っています。 『WIRED』は、「常にテクノロジーはカルチャーの前に到来する」と言っています。テクノロジーが使えるからといってテクノロジーを実装するのではなく、どのような思想、哲学を持ってテクノロジーを実装していくのかということを一緒に考えたいです。 プレゼンテーション2 加藤 整(トヨタ自動車コネクティッド先行開発部第1電子先行開発室第4グループ長) 現在、第4次産業革命は大きなうねりの中で進んでいます。日本は第4次産業革命でどのように生き残っていくかという戦略を立てる必要があります。 現在のデータ駆動型のビジネスは、オーグメントコアプロダクト、データドリブンソリューション、エコシステムオーケストレーションの3つに類型化されます。これらに共通していることは、centralized system(中央集権的なシステム)です。しかし昨今は、さまざまな分野において、decentralized(分散型)のサービスがスタートアップによってどんどん提供されはじめています。自動車業界でもいろいろアプリケーションがあり、自動車のデータ取引のマーケットがいくつかできつつあります。例えば、自動車会社なり個人がデータを提供して、バイヤーがそれを買おうとしたときに、ブロックチェーンが基盤としてあって、スマートコントラクトで自動的に売買が成立するといったマーケットです。ブロックチェーンのスケーラビリティが低いため、すぐにこのようなマーケットができるわけではありませんが、われわれはこのようなものを目指しています。 将来、ブロックチェーンネイティブエコノミーでは、トークンベースのエコノミーになり、データの民主化が行われ、分散型のデータ取引のマーケットが現れ、それにモビリティ・アズ・ア・サービス(MaaS)や自動運転といった要素技術が絡まって、Society 5.0が出来上がっていくのではないかと考えています。 質疑応答 ダイ: 今の社会で、データを分散させる必要性はあるのでしょうか。 矢野: ケンブリッジ・アナリティカの事件もあり、今、データが大企業に集まっていくことに世界中の人が疑念を持っています。やはりデータを分散させることが重要だと思います。 ダイ: ブロックチェーン技術で解決できる問題はどのようなものですか。 プー: ブロックチェーンは、複数の当事者がコラボレーションしているけれど、お互いの信頼がないときに生きてきます。今、信頼がないために融資を受けられない多くの企業があります。ブロックチェーンはそれを解決できる可能性があります。 ダイ: 日本では、日本であるがゆえにブロックチェーンの発展が加速されるということはあるのでしょうか。 メトカーフ: あると思います。日本の規制は海外に比べてはっきりしており、さらに、日本は仮想通貨を危険ではなくチャンスとしてとらえているからです。 ダイ: ブロックチェーンに関して、日本が海外に求めるものは何でしょうか。 松島: 情報プラットフォームです。日本には確固たる存在がいないので、情報と物を結び付けようとするとき、海外と一緒にやらざるを得ないと思います。 加藤: スピード感です。日本では物事を実行するのに時間がかかるからです。 ダイ: FacebookのLibra構想をどうご覧になりますか。 フォーゲルステラー: 安定的な通貨や分権化を実現できるかもしれない、良いものだと思っています。 矢野: 1つの大きな企業が中央集権化して、そこで何か銀行をやっているにすぎないように感じます。これが本当に分権化につながるのか疑問です。 プー: 現実世界のアセットを反映したアセットというのは、ものすごいポテンシャルがあると思います。 総括 加納 裕三(一般社団法人日本ブロックチェーン協会代表理事) ブロックチェーンの技術的な特徴は、データが消せないこと(イミュータビリティ)、ビザンチン・フォールト・トレランス性があること、単一障害点がないことですが、ブロックチェーンをビジョンで語るとどうなるでしょうか。インターネットが可能にしたのは、情報の簡単な複製、誰でも簡単に情報を発信すること、データの即時取得です。一方、ブロックチェーンは価値のインターネットといわれており、価値の複製を不可能にし、誰でも簡単に価値を送付すること、データの信頼を可能にしました。中央的な何かがなくても、個々の信用の連鎖によって、データを信頼できる世界がつくれるのではないかと考えています。 ブロックチェーンが勝ち取ったものは、皆さんの気持ちです。ブロックチェーンが国際社会で本気で議論されている、このようなことを6年前には想像もできませんでした。今年をブロックチェーン元年として、この業界を皆さんとご一緒に盛り上げていけたらと思っています。 イベント シンポジウム ワークショップ BBLセミナー 終了したセミナーシリーズ 情報発信 ニュースレター 更新情報RSS配信 Facebook X YouTube 研究テーマ プログラム (2024-2028年度) プログラム (2020-2023年度) プログラム (2016-2019年度) プログラム (2011-2015年度) 政策研究領域 (2006-2010年度) 経済産業省共同プロジェクト プロジェクトコンテンツ 調査 フェロー(研究員) 論文 ディスカッション・ペーパー(日本語) ディスカッション・ペーパー(英語) ポリシー・ディスカッション・ペーパー(日本語) ポリシー・ディスカッション・ペーパー(英語) テクニカル・ペーパー(日本語) テクニカル・ペーパー(英語) 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